かと思いきや「表に出るのがすごい嫌になることがあるんですよね、怖いっていう感覚です。全く考えない自分もいるけど、実は我に返ると『大丈夫かな』って思ってる感じです」と意外すぎる心情をこぼしたのは、ランウェイのトップを飾る「マイナビ東京ガールズコレクション 2022　SPRING/SUMMER」の控え室でのこと。

ただ、その揺らぎや繊細さ、慎ましやかさとのせめぎ合いは自身を客観視できており、常に“挑戦”を掲げる彼女だからこそのことだろう。そして、またそれを乗り越えた先に見せてくれる表情や表現こそが、周囲をとりこにする彼女自身の魅力にもつながっていると思える。

“自然体であること”と“変化しない/成長しない”ことは全く意味が異なる。自分を偽らず自身の心の声に耳を済ませながらも、当然ながら常に己の可能性を磨き続ける鍛錬が求められる。その“変化”の方向性や、与えられた場所での咲き方について極力自分にうそをつかずごまかさない形が取れるよう模索していかなければならない。その手探りの調整や折り合いは正解がなく孤独な作業でもあるのだろう。