2022-08-01 18:00

清原和博が野球人としてもっとも輝いていた時代を読む3~プロ野球死亡遊戯があえて“令和の夏”に書きたかった話(著/中溝康隆)

7月21日発売『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(白夜書房)より
7月21日発売『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(白夜書房)より

PL学園の主砲として甲子園を沸かせた清原和博。1985年の運命のドラフトによって盟友桑田真澄は巨人に入団、忸怩たる思いを抱えながらも生粋の野球愛、プレイヤーとして西武ライオンズに入団。彼はここで野球キャリアの中でも最も華々しい活躍をすることになる。そんな彼の黄金西武ライオンズ時代約10年間を描いた『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(7月21日発売/白夜書房)より清原西武入団までをここに抜粋してお届けする。(全3回の3回目/1回目を読む2回目を読む)

1985年 あこがれて、ふられて、悔しくて泣いた

友達と受験の合格発表を見に行くのは最も危険な遊戯だ。

だって自分だけ落ちたら惨めだし、受かっても気まずいし、喜べないし。だから俺は駅前のタイ式マッサージ屋にも必ずひとりで行くようにしている。セラピストの逆指名もしない。あんまり期待しちゃうとダメだったときのショックがデカすぎるから。あの日のキヨマーのように、だ。

小泉今日子のシングルレコード「なんてったってアイドル」発売前日、1985年11月20日、3時間目の授業中だったPL学園教室にドラフト会議の第一報が入る。「桑田、巨人が1位や!」と誰かが叫びながら廊下を走ってきたのだ。一巡目で6球団が競合した清原和博は抽選で西武が交渉権獲得。その清原が憧れた巨人の1位は、なんとプロ野球関係者と接触するために必要な退部届けも出さず早大進学を明言していた盟友・桑田真澄だという。なんでや……あいつははっきりと早稲田へ行くと言うてたやんか……頭が真っ白になり、校長室に移動して映像を確認してから記者会見へ。そこで涙を浮かべた18歳の少年は大量のカメラのフラッシュを浴びながら、「今はあまりなんも言えません……」と消え入りそうな声で絞り出す。対照的に桑田は会見でも冷静だった。

「まさか、(自分の名前が)あがるなんて思っていなかったですから。もうびっくりしたのひと言です。清原君がすごくジャイアンツに行きたいということを言っていたので、もしジャイアンツへ入れたらがんばれよっていつも声をかけていたんです。それで蓋を開けてみれば僕が1位でなんかすごく清原君に悪いような気がするんですが、まあジャイアンツが……自分では実力はないと思ってるんですけど、1位にあげてくれたということは非常に嬉しく思っています」

キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー
▼Amazonで購入

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING11:30更新

  1. SKE48荒井優希、宮本もか選手とのタッグで準決勝進出「この勢いで次の試合でも頑張りたい」
  2. 華麗なるスケート衣装の世界!本田真凛ほか収録カットを公開
  3. ほのか、初の始球式でへそチラショット!美脚あらわなショーパン姿で美しい投球フォームを披露
  4. SKE48荒井優希、山下実優選手とのシングルマッチ!試合に集中しメンバーの存在は「すっかり忘れていました」
  5. SKE48荒井優希、人生初の“ビンタ”に気合!!久々のシングルマッチ決定に「自分のできることを全部出せたらベスト」
  6. 乃木坂46向井葉月さんがファンに愛される理由…セレモニアルピッチに挑戦
  7. SKE48荒井優希選手、“サソリ固め”を初公開も
  8. スタン・ハンセン「『ラリアット』がプロレス技として辞書に載ったりしたら、こんなに光栄なことはないね」
  9. SKE48荒井優希&宮本もか“もかゆき”コンビ、決勝戦進出ならず
  10. SKE48荒井優希選手、鈴芽選手に勝利し“ベルト挑戦”を宣言
  1. 日向坂46松田好花『週チャン』初登場「春を感じるパステルカラーの衣装にも注目してもらいたい」
  2. 芳根京子、ノースリーブで美腕披露!大人の魅力あふれる最新夏スタイル
  3. 乃木坂46山下美月、美肩がチラり「RESEXXY」2024 SUMMER新ビジュアルが公開
  4. 日向坂46小西夏菜実、グループ随一のクールビューティーが透き通る美貌を披露
  5. 苦戦するオリックスバファローズに現れた救世主!勝利の女神は今TikTokで話題のこの子だ!!
  6. 宮脇咲良がブルーのロングヘアで“美しく強い髪”を表現!ヘアケアライン「&be HAIR」のモデルに決定
  7. 乃木坂46・遠藤さくら、念願のバナナマン日村との散歩で見せた、公式お兄ちゃんよりも親子のような関係性
  8. 日向坂46加藤史帆、洗練された美しいグラビアショット!齊藤京子との思い出も
  9. 乃木坂46・山下美月が作詞したソロ曲『夏桜』に散りばめられた“乃木坂46愛”を読み解く
  10. 乃木坂46伊藤理々杏「私は“やまかき”推し」、2人の後ろ姿に「なんて素晴らしい!」