船井美玖と宇都宮未来による新ユニット『月刊PAM』がプレデビューイベント開催

月刊PAMプレデビューイベント「EDITING NOW」より

元ザ・コインロッカーズのメンバーである船井美玖、宇都宮未来の2人によるユニット・月刊PAMが、プレデビューイベント「EDITING NOW」をloft shibuya9で開催した。

イベントは、ライブからスタート。開演前の会場には、フジファブリックの「夜明けのビート」やサニーデイ・サービスの「春の風」など、2人が好んで聴いている楽曲が流れている。ザ・コインロッカーズ時代にともにステージに立った経験はあるものの、2人だけでステージに立つのは初めての経験になるが、一体どんなライブになるのか。期待が高まる中、開演時刻の18時30分を少し過ぎた18時37分、このイベントのために制作されたラジオ収録の映像が、ステージ上のスクリーンに流れ始めた。そして、その映像の最後に2人でこのあとのライブの1曲目に披露する曲を紹介をする。

記念すべき月刊PAMの船出を飾るのは、「くゆりゆく」だ。「くゆりゆく」は、2人が出会う前からお互いに好きだった、ふぇのたすのヤマモトショウが書き下ろした楽曲だ。2022年のアイドル楽曲を対象にした「第11回アイドル楽曲大賞」のインディーズ/地方アイドル部門で、作詞作曲編曲を手掛けたfishbowlの「熱波」、そしてFRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」が2曲同票1位を獲得したヤマモトショウの楽曲だけに、どんな仕上がりになっているのかが気になる。おもむろにステージに登場し、背中合わせになる2人。エレクトロポップな曲調の「くゆりゆく」で、最初に歌い出したのは船井だ。その歌声に、宇都宮が続く。ステージ上で交差する2人。サビでは、2人の声が重なり合う。

続く2曲目は、ホフディランの小宮山雄飛のソロプロジェクト・BANKSのカバー「さいきんぼくは」だ。自然にハンドクラップが発生し、フォーキーなサウンドに乗った2人の歌声に力を与える。

3曲目の「okay」は、UVERworldや井上苑子の楽曲を手掛ける、柴山慧が作詞作曲したナンバーだ。「okey」はキュートなガールポップで、ライブ開始直後はやや緊張も感じられた2人の表情もぐっとやわらかくなり、心なしか笑顔も増えている。間奏では観客にウェーブを促し、最後は振り向きざまのダブルオッケーポーズでパフォーマンスを締めた。

その後、ステージは暗転。ステージ上のスクリーンには、レッスン風景や2人が歩く渋谷の街並みの映像が映し出される。

映像が終わると、2人は再びステージへ。プレデビューライブのラストを飾るのは、おやすみホログラムのプロデューサー・オガワコウイチが作詞作曲した「息をする旅」だ。「歌い上げるような曲が欲しい」という2人の願いに応えた「息をする旅」は、疾走感がある生バンドのロックサウンドに乗せて、エモーショナルな歌の魅力が表現された楽曲だった。それまでの笑顔とは一転、焦燥感を感じさせる2人の表情が、シリアスな曲調とも相まって気持ちを熱くさせる。両手を挙げ、人差し指を天にかざす2人。こうして、あっという間のプレデビューライブは終了した。

宇都宮未来の歌は、ザ・コインロッカーズ時代から定評があった。そのポテンシャルは、この日のライブでも確かに証明されていたなと思う。一方、ザ・コインロッカーズ時代の船井美玖は、声そのものには魅力があるものの、こと歌唱力という点においては不安視される部分が少なからずあった印象だった。しかし、この日のライブでの船井の歌声は、ナチュラルなフェイクも含め成長著しいものだった。ライブ後に、もっともっともっと良くなるはずだと思えた時点で、この日のプレデビューライブは成功だったんじゃないかと思う。

ライブ終了後は、2人はパーソナリティを務める、広島RCCラジオ「船井美玖と宇都宮未来のラジオ編集会議」の公開収録が行われた。プロインタビュアーの吉田豪氏をゲストに迎えた収録は、3人の共通項である秋元康氏の話から、ザ・コインロッカーズ時代の話、月刊PAMのマネージャー氏の話など、和気あいあいとしながらも本音が飛び交うトークが展開された。

今後は、ホフディランの小宮山雄飛からの新曲提供、さらには月刊PAMとしてのYouTubeチャンネル開設やnoteでのインタビュー記事公開、船井美玖の生誕祭の開催など、さまざまな展開が予定されている。月刊PAMという新しくてポップな風を、しっかりと感じたいと思わせてくれたプレデビューライブだった。

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