2023-04-28 00:00

乃木坂46伊藤理々杏「私たちが新しいアンダーライブを作ります。だから、ついてきてください!」、『32ndSG アンダーライブ』最終公演

乃木坂46「32ndSG アンダーライブ」より
乃木坂46「32ndSG アンダーライブ」より
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乃木坂46「32ndSG アンダーライブ」の最終公演が4月27日(木)、東京ガーデンシアターにて開催された。当ライブは4月5日から東京、大阪、愛知の3都市4会場で全8公演を実施。クライマックスとなる東京ガーデンシアター公演は4月26日、27日の2日間にわたり、両日とも約8000人、計1万6000人を動員。さらに、27日の最終公演のみインターネットでの生配信も行われた。

32ndシングル「人は夢を二度見る」のアンダー楽曲「さざ波は戻らない」参加メンバーによる本公演は、1期生と2期生が卒業して以降初めて3〜5期生のみで行われる新体制のアンダーライブ。ダブルセンターの伊藤理々杏&林瑠奈を中心に、これがアンダーライブ初参加となる5期生を迎えた総勢15名(休演中の中村麗乃、岡本姫奈を除く)で乃木坂46の新たな歴史を刻んでいった。

伊藤理々杏 曲中メッセージ

ステージ前に青空を描いた幕が垂らされる中、会場が暗転するとライブは突如「新しい世界」からスタートする。アンダー初参加となった思い出の楽曲を3期生の5人(伊藤理々杏、阪口珠美、佐藤楓、向井葉月、吉田綾乃クリスティー)が情熱的にパフォーマンスし、曲中には伊藤が「この曲は私たちが初めてアンダーに参加した曲です。その時は1期生・2期生・3期生でしたが、今は3期生・4期生・5期生となりました。私たちが新しいアンダーライブを作ります。だから、ついてきてください!」といった力強いメッセージもフィーチャーされた。

続いては、北川悠理、黒見明香、清宮レイ、林瑠奈、矢久保美緒が4期生初参加となったアンダー楽曲「マシンガンレイン」を、さらに5期生の池田瑛紗、小川彩、奥田いろは、冨里奈央、中西アルノがアンダー楽曲の原点でもある「左胸の勇気」を披露。最後に全メンバーが勢揃いし、伊藤&林の「アンダーライブ、スタート!」をきっかけに「Overture」へと突入。ここから観客のボルテージは急加速していった。

「さざなみは戻らない」

アンダーライブでは本シーズンが声出し解禁公演。オーディエンスが思い思いのメンバー名をコールする中、幕が開いたところで「さざなみは戻らない」からライブは本格的に開始する。3、4期生が存在感の強いパフォーマンスを見せる中、5期生が必死で食らいついていこうとすることで、統一感の強いステージを構築。また、「ここにいる理由」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」といった王道のアンダー楽曲では、それぞれ林、伊藤が単独センターを務め、先輩たちの作り上げたオリジナルを踏襲しつつも今の乃木坂46らしさをにじませたダンスで、観る者を魅了し続けた。

今回はダブルセンター制ということもあり、伊藤をはじめとする青組(伊藤、黒見、佐藤、冨里、中西、矢久保、吉田)、林が中心の赤組(林、池田、小川、北川、阪口、清宮、向井、吉田)の2チームに分かれパフォーマンスを繰り広げるブロックを用意。まずは、伊藤のソロ歌唱を大々的にフィーチャーした「音が出ないギター」やセンターの吉田がクールな佇まいを見せる「命は美しい」で観客を圧倒すると、続いて林の艶やかなソロボーカルを軸にした「ショパンの嘘つき」や阪口が大人びた表情で楽曲の世界を彩る「ごめんねFingers crossed」と、それぞれの個性の違いを見事に提示。曲間にはダイナミックなダンスパートも用意され、切れ目なくライブは進行していく。そして、「ありがちな恋愛」で2組が勢揃いすると、「狼に口笛を」「13日の金曜日」の定番曲連発でさらなる一体感を高めていった。

ユニットブロックへ

ライブ中盤に入ると、まずは黒見を筆頭に池田、冨里、矢久保の組み合わせによる「Out of the blue」からユニットブロックに突入。「アトノマツリ」では北川&林が歌にラップにと大活躍し、「もしも心が透明なら」ではグループ最年少の小川を中心に、阪口や佐藤、清宮、向井といった先輩たちが艶やかな空気を作り上げ、伊藤や奥田、中西、吉田と歌唱力に定評のあるメンバーが揃った「パッションフルーツの食べ方」では一人ひとりの個性が際立つボーカルとともに、独特の空気で会場を包み込んだ。

いよいよライブも後半戦へ。「自惚れビーチ」では清宮のコール&レスポンスで場内の熱気が再び高まると、阪口センターのキュートな「口ほどにもないKISS」、北川&矢久保がエモーショナルな表情で魅了する「嫉妬の権利」、佐藤が力強いダンスで場の空気を一変させる「届かなくたって…」、吉田が頼もしくチームを牽引する「錆びたコンパス」、向井が圧巻のパフォーマンスで会場の空気を掌握する「日常」と、曲を重ねるごとにライブはクライマックスへ到達する。

林瑠奈「皆さんにとってアンダーライブってなんですか?」

最後の曲に入る前に、座長のひとりとして今回のアンダーライブを引っ張ってきた林が、今の思いを伝えていく。彼女は「皆さんにとってアンダーライブってなんですか?」と客席に投げかけると、「きっと私たちの中にもこの答えの正解はなくて、皆さんの中でもいろんな捉え方があっていいんじゃないかと私は思っています」と続けてから「アンダーライブはうれしいとか楽しいだけじゃなくて、不安とか焦りとか悔しさ、プレッシャー、そういう気持ちを全部パフォーマンスに乗せられる場所だと思っていて。もしそれが私たちからの一方通行なものだとしても、気づいたら皆さんは私たちの気持ちをいつの間にか受け止めちゃっている、そんな強い力がアンダーライブにはあると信じています。だから、皆さんにはひとときもこぼさずに、私たちの気持ちを受け取ってほしいです」と自身の考えを吐露。そして、感謝の気持ちとともに「誰よりそばにいたい」を15人のソロ歌唱で歌い継いでいく。その素直な歌声からはメンバー一人ひとりの強い思いがダイレクトに伝わり、感動的な空気の中ライブ本編を締めくくった。

(文/西廣智一)

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