音楽プロデューサーstyが分析する現代に必要な日本アイドルソング

「BUBKA2月号」に登場しているsty
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楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今回は、AMEFURASSHIの最新曲『SPIN』でアイドルシーンに風穴を開けたsty氏が登場。これまでJ-POPの最前線でヒット曲の数々を生み出してきている彼が、現代に必要な日本アイドルソングを徹底的に分析します。

ヒット曲を生み出す分析力

――AMEFURASSHIの作品を軸にうかがいたいと思っています。AMEFURASSHIのお仕事をするようになった経緯からお伺いしていいでしょうか?

sty 私の所属事務所(Digz,inc.)がAMEFURASSHIの制作を引き受ける形になっていたところ、マネージャーの酒見からstyさんやりませんかと言われて始めることになりました。アーティストさんとの制作を進めるにあたって、最初は大体、こういうことやりたい、ああいうことやりたいっていうような打ち合わせをするんですけど、AMEFURASSHIさんはそれがほぼなかったんです。

――そうなんですね!

sty 「楽しくやってください」という感じで言っていただいたので、自分も興味を持って作ってみようというふうに始まりました。スターダストの佐藤(守道)さんという名A&RがAMEFURASSHIさんを担当されていて、その方が……これはめっちゃいい意味で言ってるんすけど、めちゃくちゃミーハーでいらっしゃって(笑)。私もどちらかというとかなりミーハーなほうなので、グローバルとかを意識する前に、この時代にこういうことをやっておかないとおかしいのでは、という感覚が共有できたというところありますね。楽曲の方向性に関しては多くを語らずとも、でした。

――ビジョンがあるからこそお任せだったという。

sty 1曲目に『Love is love』を作ったんですけど、そのときはこんなに連作でやらせていただけるとは思ってなくてびっくりはしているんですけど。

――今のアイドルシーンは現行のダンスミュージックやビート感のある曲というのはまだまだ少ないので、sty さんの作る曲が新鮮で。

sty 多分、私は日本のアイドルシーンに詳しくないからこそ、ある意味で客観的な位置から、今のアイドルの欲されてる曲ってどんなのだろうって考えたときに、私の感覚ではこういうのがいいんじゃないかなっていうことでこうなったんだと思います。佐藤さんとは「こういうものがトレンドで来てますよね」という話は当然していて、そのなかから糸口を見つけて、これとこれを組み合わせたら面白いんじゃないかなという提案をしたつもりだったんですけど、その時点で「いいっすねそれ。OKです」と言われて。「これ3分で終わるけど大丈夫かな」とか思ったりして(笑)。

――曲の長さも気持ちよいですよね。日本のポップス特有の、ここで一旦落として最後にもう1回サビで盛り上げるという型にはめ込んでいくとどうしたって4分半とかになりがちで。もちろんそこに必然性があればいいんですけど、正直長いなと思うこともあって。

sty そうなりますよね。ほかの方に曲を作る際もそうですが、ライブでは見栄えするんですけど、でもそれは今の若い人たちは耐えられないというか、もう5分も聴いてられないっていうところで、曲が短くなっているというのはあります。AMEFURASSHIさんの曲は特にそうなんですけど、すぐに歌が始まるっていうのはすごく心がけていて。曲の一番美味しいところは早めに聴かせたいという作り方。そこはやっぱり昨今変わってきたかなと思います。

――それから、sty さんが楽曲を書かれてきたグループやシンガーはかなり歌える方々がほとんどだと思うんですけど、その点、AMEFURASSHIのみなさんはいかがでしょうか。

sty めちゃめちゃ上手だと思います。AMEFURASSHIさんの場合、事務所さんに歌の先生がいて、この歌はこうやって歌うということをしっかり予習してから来てくださる。しかも、なんでこの歌はこういうふうな歌い回しをするかという概念みたいなものまでちゃんと落とし込んできてくださるので、レコーディングはものすごくスムーズに進みますね。

――アルバム『Coffee』を聴いて、細かいニュアンスの効いた歌い方をされているのが発見だったと言いますか。

sty 歌を張らないで歌うっていうのが彼女たちのボーカルのスタイルとか声の質感に合っているなと思ったんです。“ボーカルフライ”っていう、しわがれるような歌い方をすごく多用して歌っていただいて。そういう声の質感とかテクスチャーを重視しているアイドルさんってあまりいないと思うので、その意味では頭一つ抜けて素敵な歌に仕上がってるかなと思います。おそらくその時々でいろんなことを経験していらっしゃるので、引き出しが多いから、プロデューサーとしては選択肢がたくさんあって、自分が思い描くサウンドに近づけるんだと思います。スタッフさん一同本当にすごいですね。

取材・文/南波一海

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styプロフィール

styエス・ティ・ワイ|2005年に音楽プロデュース業を開始。EXILE、倖田來未、少女時代、三浦大知、Crystal Kay、BoA、宮野真守、三代目 J Soul Brothers、BE:FIRSTなどのヒット曲を多数プロデュースするかたわら、職業作家としての15年分のノウハウを活かし「エス・ティ・ワイ」としてファッショナブルなシンガー・ソングライターとしても活動している。

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「BUBKA2月号」内容紹介

「BUBKA2月号」表紙を飾る乃木坂46五百城茉央

表紙
乃木坂46 五百城茉央

付録
五百城茉央(乃木坂46)
菅原茉椰(SKE48)
特大両面B2ポスター

巻頭特集
・五百城茉央(乃木坂46)グラビア&ロングインタビュー
「Accelerating future」
・阪口珠美(乃木坂46)グラビア&インタビュー
「Thank you 2023」

グラビア・インタビュー特集
・菅原茉椰(SKE48)
「Pageant of Sunshine」

・江籠裕奈×井上瑠夏(SKE48)
「えご天『一生アイドル』宣言

・鈴木くるみ(AKB48)
「Feels Like Heaven」

・インタビュー連載 23人の空模様
vol.05萩原心花(僕が見たかった青空)
「クールの仮面を脱ぎ捨てて」

グラビア&スペシャル企画
・西野夢菜 グラビア
「Winter Break」

・奥村梨穂 グラビア
「いちごと黄色と。」

・大瀧沙羅グラビア
「Choppy Snow」

・マジカル・パンチライン インタビュー
「遙かなる思いを夢の舞台で」

・「GIRLS IDOL Fashion Snap」Produced byチェキチャ!

スペシャル記事
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武藤敬司/東出昌大/吉田豪/伊賀大介/プロ野球死亡遊戯/FRANKEN/内田名人/MISATO ANDO/渡辺樹庵×掟ポルシェ

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「NO INOKI NO LIFE」

・『Rの異常な愛情』特別インタビュー
LITTLE×R-指定
後編「あらかじめ決められた韻たちへ」

BUBKAレポート
・Book Return
第62回 谷良一
「M-1はじめました。」

・すべての球団は消耗品であるbyプロ野球死亡遊戯
#15「1958年の加藤近鉄」

・アイドルクリエイターズファイル
#36 sty

・宇多丸のマブ論

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