【BUBKA8月号】アイドルクリエイターズファイル #8 君島大空×安部博明

楽曲派という言葉が死語になる前に伝えることがある!ということで始まった当連載。今回は、RYUTistのニューシングル『水硝子』で作詞・作曲・編曲を務めたシンガーソングライターの君島大空、RYUTistのマネージャー兼ディレクターの安部博明が登場。新曲はどのようにして生まれたのか、2人の出会いから制作の裏側までを座談会形式で語ってもらった。

君島大空(きみしま・おおぞら/左)と安部博明(あべ・ひろあき/右)

1年前からのオファー

――僕はRYUTistのレーベルの人間で、つまり君島さんにオファーした側なので、今回はインタビュアーというよりは鼎談の参加者というスタンスで進行できればと思っています。安部さんと僕で次のRYUTistの楽曲を君島さんにお願いしようと思ったのは、実は結構前のことで。

安部博明(以下、安部)  『ファルセット』をリリースしたのが去年の7月だったんだけど、アルバム自体は何カ月も前に完成してたんですよね。だから次のことを考えていて、5月くらいの段階で君島くんにお願いしたいねって話してた気がする。新しいことに挑戦したいという気持ちがあったので、次のアルバムを作るのであれば君島くんの曲を軸に制作していきたいよねと。そのあと動き出して、APOLLO SOUNDSの阿部(淳)さんと話をするようになって、連絡のタイムラグもあったりしていまに至るという感じですよね。

君島大空(以下、君島)  たしかにラグがあったなと記憶していて。去年の春に連絡をいただいてから着手するまでに時間がかかりました。あの時期は自分の制作もできなくなっていたというのもあって。だから、ちゃんとお返事をしたのが…。

安部 君島くんの『縫層』がリリースされたあたり。

君島 そのへんだった気がします。去年の末のほうでした。

――『水硝子』以前に、佐藤望さんがRYUTistに書いた『夢見る花小路』でギタリストとして参加されていたという経緯もあるんですよね。

君島 はい。僕が二十歳すぎくらいの頃、望さんきっかけでギターを弾かせてもらうことが多かったんです。その時期は修行みたいなことをしていた感覚でした。だから、まさか僕に直接お声掛けされるとは思わなくて。佐藤望を越えてやれと思いながら作りました。望さんをびっくりさせないとダメだというのは頭にありましたし、いい曲を書きたいなというのは強くありました。

――制作はどういうふうに進んでいったのでしょうか。

安部 YouTubeに上がってる「君島大空の球体の平面」でやっていた曲(『向こう髪』)がすごく好きで。ただ、南波さんとよくぶつかるところなんだけど、俺の性格的にバランスを取りたくなるんですよ。南波さんはガチガチにアクセルを踏みたい人なんだけど、俺はRYUTistと近いところにいるので、保護者目線と言うとイヤなんだけど、とにかくバランスを取りたくなっちゃう。

――尖り過ぎるとグループに合わないんじゃないかと。

安部 そうそう。だから『縫層』や色んな作品で彼の作家性も知っていくなかで、もちろんすごくいいなと思うんだけど、正直、不安もあったんですよ。君島くんと一緒に仕事をしてグッドミュージックができるだろうかと。それで、自分のなかでこれだったらRYUTistにいいなと思う曲を挙げたんです。

君島 『向こう髪』が好きですと。これっぽい曲を作ってくださいというより、これが好きです、みたいなことを言ってくださったのを覚えてます。

安部 最初から『水硝子』を想像していたかというと違って。『水硝子』はもちろん最高な曲だけど、もし『水硝子』みたいなものが送られてきたときに、ディレクターとしてイエスを出せるかなという不安もありました。だから君島くんの作品のなかでもシンプルで、すごく美しいなと思える曲を選んで、これが好きですと送ったのが『向こう髪』だったんです。ちょっと日和ってたというか、君島くんをコントロールしようとしたという気持ちがあったかもしれない(笑)。

――インタビューの続きは絶賛発売中のBUBKA8月号にて!

君島大空(きみしま・おおぞら)
1995年生まれ、東京都出身。2014年から活動を開始。ギタリストとして吉澤嘉代子、高井息吹、鬼束ちひろ、adieu(上白石萌歌)などのアーティストのライブや録音に参加する一方、楽曲提供など様々な分野で活動中。

安部博明(あべ・ひろあき)
RYUTistマネージャー/ ディレクター。RYUTistは2011年結成の新潟発アイドルグループ。メンバーは佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁の4人で、全員が新潟生まれ新潟育ち。

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