――それだけお手本になる人がいると。

岩本　私がこんなことを考える日が、こんなに早くに来るなんて。不思議ですね！(笑) 　でも、いろんな人の意見を聞けるから面白いです。昔はたぶん同い年の子よりも精神年齢が低かったと思うけど、乃木坂46に入ったことで、芸能界がどんなところかもわからない、そもそも社会に出たこともないただの学生が、私の言動ひとつでどれくらいの人が注目するかなんて考えられなかったわけで。私の意見がこんなにたくさんの人に聞いてもらえることって、普通に生活していたら絶対にないじゃないですか。それって、すごく幸せなことだと思うんです。

――そう考えられるようになったことで、責任感も芽生えてきた？

岩本　そうですね。私が間違えることによって誰かに迷惑がかかるかもしれないし、それを考えたらもっと完璧にしなくちゃな、という思いはあります。

――そこに思い至るには、何かきっかけになるような出来事があったんでしょうか？

岩本　やっぱり先輩たちのどんどん進んでいく姿を間近で見て、そういう部分がちょっと3期生には足りてなかったからかな。

――ひとつ前のシングル『ジコチューで行こう！』のときに、初めて選抜メンバーとして活動したのが大きかったんでしょうか？

岩本　そうなんです。こんな間近でいろんなことを学習できることなんて滅多にないから、選抜に入ったことを機に成長できたらいいなって思って。選抜メンバーに入れたのはすごいことだと思うけど、だからといって私が偉いわけではないし、私がそこに選ばれた意味とかもすごく考えていたので。もちろん次のシングルでも残りたかったですけど、自分に何が足りなかったのかもわかっているし、本当に自分を見つめることができた貴重な期間だったなとすごく思っています。

――今振り返ると、岩本さんが選抜に入った意味はなんだったと思いますか？

岩本　選んでいただいたってことは、少なからず必要としてくださっているということですよね。私ってうるさいし(笑)、ポジティブに見えるんですけど……実際ネガティブではないんですけど、自分に自信がない人間なので、少しは自信を持てるようになったのかなって思います。