SKE48井上瑠夏はなぜ水着になったのか? 初水着グラビアに懸けた思いと自分への挑戦

「BUBKA4月号」セブンネット限定版&電子書籍限定版表紙を務めるSKE48井上瑠夏

井上瑠夏は迷いの森にいた。

昨年8月、彼女を取材した。媒体は『TopYellNEO』。この雑誌では私がSKE48の取材メンバーをセレクトしている。どうしても彼女に話を聞きたかったからだ。

話は昨年3月に遡る。江籠裕奈の初ソロライブを取材に出かけると、会場の名古屋ボトムラインで井上の姿を見かけた。2階席から観覧していた彼女はライブ中、涙を流していた。

ライブが終わると、江籠は後輩の元へと駆けつけた。井上は泣きながら、ほとんど声にならない感想を信頼する先輩に伝えていた。

翌日、名古屋で江籠を取材した際、井上のことを尋ねた。江籠はかわいい後輩を心配していた。

「るーちゃんはかわいいじゃないですか。違うグループだったら一番になれているかもしれないポテンシャルがあるのに、SKE48は大人数のグループだから日の目を浴びることがなくて。今の立ち位置に悩んでいる姿を近くでたくさん見てきたんです。『わかるよ、その気持ち』って。後輩だと一番(自分の)ライブを観てほしい存在だった」

そう語ったのを聞き、井上に取材をして、答え合わせをしたかったのだ。取材が実現すると、井上はこう語った。

「悔しいことがあると、江籠さんに相談してきました。ソロライブが終わると、江籠さんは『るーちゃんにこの景色を見せたかった』と言ってくれました。その言葉を聞いて、私の涙腺は爆発しました。私も江籠さんみたいに人を感動させられる人になりたいと思いました。その日、私は勇気をもらいました」

井上は先輩のライブを目の当たりにして、一歩だけ前に歩を進めた。では、具体的に何をするか。問題はそこだ。井上はその答えを出せないでいた。

これはアイドルにとって、実に厄介な難問だ。その答えなど誰も教えてくれない。ネットにも書いていない。アイドルとは、アイドルでいること、それ自体がすでに正解であり、それ以上の答えを求められても、巨大な疑問符に日夜襲われるだけだ。しかし、その難問に立ち向かわなければ、次はない。そういう職業だ。

取材が終わり、レコーダーを止めた。それでも話が止まることはなかった。何度も経験してきた。こういう時、そのメンバーは必ず悩んでいる。何を話したか、細かいことは覚えていないが、「雑誌の人間として言えることは、自分からページを奪ってほしい。べつに雑誌に載らないにしても、枠を奪うくらいの貪欲さがあってもいいよね」と話したことは記憶している。

きっと、井上はその後も考え続けたことだろう。自分が何をすればいいのか、を。アイドルとしての魅力はすでに何年も振りまいてきた。劇場に行けば、はつらつと踊る井上に目が行く。にもかかわらず、選抜メンバーにはなれても立ち位置は3列目。そのポジションを脱するためには、誰かに振り向いてもらうしかない。そのために自分にできることは何か――。井上に必要なものは、漠然とした熱意とかやる気ではなく、具体的な一手だった。

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