R-指定(Creepy Nuts)、“R流”楽曲制作のロジックと計算式

――建築のような話になってきたな(笑)。でも本当にそれに近いよね。柱が太いだけじゃ住む場所は作れないし、柱を細くすれば弱くなるし、強いだけじゃ地震に負けるし、みたいに、適正な情報量はあるよね。

R-指定 ぶっ飛んでノリで頭からケツまで一瞬で書きましたみたいな書き方をしたことがないし、やったことがないから分からへんって部分がありますね。とは言え、自分の作り方が100%ロジカルかって言ったら、決してそんなことはなくて。フロウやメロディなんかは感覚でしかないし。逆に言うと、バンドの人とか、他のジャンルのミュージシャン、ヒップホップ畑とは違う人と一緒に楽曲を作るようになって、そういう人らの話を聞いたら「俺はだいぶ感覚でやってんねやな」っていうのはすごい思ったりするんですよね。

――それは俺も、特に楽器を弾けるアーティストだったり、音楽教育をちゃんと受けてる人、職業作曲家に話を聞くとよく感じる。作曲って言うと「天からメロディが降ってきた!」みたいに、天啓だったり、選ばれた人だからこそ、のようなイメージがされがち。もちろん、そこに才能の部分も大きいと思うけど、結構多くの場合、このコードはこう進行させて、そこにどういうメロディならハマるかみたいに、すごくロジカルな場合も多い。だからこそ「音楽理論」があるわけで。だからよく「作曲も楽器も結局根気」だとも言うよね。そして、それはヒップホップのトラックメイクも変わらないと思う。その意味では、Rくんは楽器が弾けるわけではないから、より感覚的にメロディを紡ぐようになるというか。

R-指定 「このメロディのあとはこういう音が来たほうが気持ちいい」「この展開じゃないとおかしい」「こういう構成が気持ちいい」みたいな部分を、やっぱり俺はロジカルには考えてないと思うんですよね。

――そもそも根本的に音楽の高等教育で受ける「音楽ロジック」が分かってないわけだし(笑)。それは俺もそうだけど。

R-指定 ちゃんとした音楽的な教育を受けてないですからね。だから、どこまでいっても俺は「ラッパー」なんやなって思いますね。結局、自分の気持ち良いメロディ、口気持ち良さを基準に書いてる部分が大きいから、自分の中ではロジカルやって思ってても、楽器ができる人に比べたら、ある種フリーで感覚とノリでやってるから、広い目で見たら「めっちゃこいつ適当やな」って思われてるかも知れないですね。だから、やっぱりラッパーならではのダーティな音楽の作り方をしてるんやなって思いますね。

――Rくんはメロディメイクをしてるけども、ラップだからこそ、当然だけど「言葉がそこに乗る」ということが前提のメロディメイクだもんね。だからこそ、いわゆる旋律を考えるっていうメロディメイクとは違うノウハウがあるんだと思う。

R-指定 言葉にするのは難しいんですけど、俺の中では自分なりのロジックや計算式があるんですよ。でも他の畑で他の音楽のやり方をしてる人から見たら、「よおそんなんで作れるな」というか「へぇ~」みたいな感じで思われてるんかなって思いますね。

――インタビューの続きは発売中の「BUBKA7月号」で!

聞き手・構成/ 高木“JET”晋一郎

R-指定|大阪府出身のラッパー。高1から梅田サイファーに通いバトルやライブ活動を開始。2012年からMCバトル全国大会UMBで3連覇を成し遂げ、『フリースタイルダンジョン』の初代モンスター、そして2代目ラスボスを務める。現在はDJ松永とCreepy Nutsとして活動しながら、バラエティ番組やテレビドラマなど多方面でも活躍中。

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