なぎら健壱、アロハで酒場へ なぎら式70歳から始める「年不相応」生活のススメ

『アロハで酒場へ なぎら式70歳から始める「年不相応」生活のススメ』の著者・なぎら健壱

ブブカがゲキ推しする“読んでほしい本”、その著者にインタビューする当企画。第49回は、『アロハで酒場へ なぎら式70歳から始める「年不相応」生活のススメ』の著者・なぎら健壱氏が登場。融通無碍に生きるオヤジは、いかにして「歳を食わない」ように生きているのか!? コロナ禍で感じた酒との向き合い方についても振り返ってもらった。

周りがそういう目で見てくれるかどうか 「どうだ!」って見せつけちゃうものほど、カッコ悪いことはない

歳だからどうとか

――このページを担当をしている編集・カイジが、なぎらさんのお店がある学芸大学周辺で、よくお酒を飲んでいるそうです。

なぎら健壱 そうなの!? どんな店に行っているの?

カイジ ●●とかによく行っています。

なぎら健壱 日増しに食い物がマズくなっているよ、あそこは。

――ははははは!

なぎら健壱 こないださ、30年ぐらい前のBUBKAが出てきたんだけど、懐かしかったなぁ。

――ありがとうございます(笑)。あれからBUBKAもすっかり変わってしまいまして。

なぎら健壱 マネージャーからこの取材についての電話があったときに、「BUBKAってあのBUBKAだろ?」って言ったら、「もう違うみたいですよ」って言われたんだけど、そういうことなの!? 白夜さんも変わっちゃったんじゃない?あたしは、『写真時代』をほとんど持ってますからね。あの独特の絵が好きだったんですね。

――あの頃のBUBKAのテイストが残るページに、今回は『アロハで酒場へ』を取り上げさせていただければと思うのですが、こちらは書き下ろしなんですよね?

なぎら健壱 そう。出版社(双葉社)から、わたしが古希を迎えたもんですから、「節目の年でもあるから一冊書いていただけないか」と。それで書かせていただいたんですね。

――なぎらさんが古希(70歳)というのも想像できないというか……。

なぎら健壱 例えば、大晦日から正月になったような感じで、特に何かが変わるわけじゃないいですよ。ただ、やっぱり70っていう歳の区切りはあるんでしょう。自分では意識していないんですけどね。「古希を迎えた」とか自分では使いたくないんだよね、歳を食っちゃいそうで(笑)。俗っぽいけど、万年青年でいたんですよ。もちろん、容姿や体力は衰えているけど、それはまぁ仕方ないこと。だからといって、それを理由に歳を食ったと感じたくなんですよ。

――「病は気から」じゃないですけど、そう考えることが「老い」の扉を開くような気がしますよね。

なぎら健壱 この本の中でも書いたけど、「年相応に」とか「〇歳なんだから」とか、年齢や世間体に縛られて生きていくのって窮屈でしょ。いい歳なんだから派手なものを着ちゃいけないなんて考えることが、自分が歳を食ったんだなっていう意識を助長させる。この間、所(ジョージ)と話したときに、彼も70近くなってきてるんだけど、今も好きなだけバイクに乗っている。意識してないっていうのがいいんですよ。

――本書は、なぎらさんのデビュー時代など若かりし頃の話も登場します。

なぎら健壱 それはね、活字を埋めるためにやったようなもんでね。でも、これをやっちゃったことで、「まだこれもある、まだこれもある」って止まらなくなっちゃった(笑)。どんどん思い出すもんだから、結果的に書き足りないというかね。それがちょっと悔しいなぁ。

――若い頃のなぎらさんは、70歳くらいの人たちをどう思っていたんですか?

なぎら健壱 60とか70の人たちを見ると、ああはなりたくないなって思っていたけど、いざ自分がなってみると、「こんなもんかね」という感じ。ついこの間、『ベルウッド・レコード50周年記念コンサート』をやったんだけど、出演者はあたしより先輩方も多くてね。ある出演者が、「驚いたよ。会場も(頭が)真っ白の人ばかりだよ」って言うの。あたしは、心の中で「あんたも同じだよ、同じ青春を過ごしてきたんだから」って思ったんだけど、まだ自分を若いと思っているから、そういう言葉が出てくるんだよね。それを邪魔するのは、靴下を履くときによろけちゃったりする体の衰えなわけで、なるべくその現実を見ないようにしている。っていうか考えない。

――現実に引き戻されたくないと(笑)。

なぎら健壱 40くらいのときのほうが意識してたかもしれませんけど、もう60も70も変わらない。意識したら歳が追い付いてきますから。だからね、年齢のせいにしちゃいけないと思う。

――ちなみに飲酒の量というのは?

なぎら健壱 同じ。同じだからタチが悪いんですよ。

――ははははは!本の中でも、つい最近も飲食店の2階から落っこちたとか、玄関先で倒れて大出血したといった酒の失態が綴られています。

なぎら健壱 懲りないんだよなぁ。ただ、次の日の酒の残り方が違ったりはしてきたよね。あと、途中から覚えてないみたいなことが増えてきたりとかね。どれくらいから覚えていないのか、それもよく覚えてないんだから。言い訳をするわけじゃないけど、記憶が一切ないってことは、悪い酒を飲んでないということ。悪い酒じゃないから飲みすぎちゃう。悪い酒って、「これはちょっとまずいぞ」という自重の気持ちが生まれるけど、それがないからやっちゃうんですよね。それに、歳だから飲むのを抑えなきゃって考えもイヤなんですよ。

――酒場を愛するなぎらさんだからこそお聞きしたいのが、コロナ禍での酒との向き合い方です。今は緩和されましたが、一時は休業、時短が当たり前でした。

なぎら健壱 本でも書いたように、酒場に行くというのはアルコールを摂取するためだけに行っているわけじゃない。家で飲むのとは違うプラスアルファがあるから足を運ぶわけです。酒場の雰囲気だったり、店主や常連との会話だったり、一緒に行った友人との馬鹿話だったり。ただ単にアルコールを摂取するだけだったら、自分の家や公園で飲んでいればいいんだしさ。酒場がやっていないというのは、何ていうのかな、疎外されたというか希薄になったというか、自分の中で釈然としないところがあったよね。なんで家で飲んでんだろうって、自問自答してましたね。あたしはアルコールが好きだけど、それを摂取するためだけにアルコールを飲んでるんじゃないぞというね。

――インタビューの続きは発売中の「BUBKA1月号」で!

取材・文=我妻弘崇

なぎら健壱=なぎら・けんいち|1952年、東京都生まれ。フォーク・シンガー、俳優、タレント、執筆家。’70年、第2回中津川フォーク・ジャンボリーに飛び入り参加したことがきっかけでデビュー。’72年、ソロアルバム「万年床」をリリース。以後、音楽活動だけでなく、映画、ドラマ、テレビ、ラジオへの出演、新聞・雑誌の連載など幅広く活躍中。

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