櫻坂46は、変化を恐れない。僕たちはそんな姿勢に心打たれるんだ…遠山大輔(グランジ)

お笑いトリオ「グランジ」遠山大輔が『桜月』の魅力を語る

『桜月』を形作るのは、製作陣だけではない。ファンや視聴者に作品が届き、初めて『桜月』は完成したと言えるだろう。一ファンとして、またラジオのパーソナリティとして、櫻坂46の誕生以来、目を離すことなく彼女たちを追い続けているこの男に、『桜月』の魅力を余すところなく語ってもらった。

長年グループを見守り続けた男が語る『桜月』の魅力

「東京ドーム後」その意味

――『桜月』は相当力を入れて臨んだシングルだと思うんですが、遠山さんがこの曲のMVが最初に公開された時、ぶっちゃけどう思いましたか?

遠山大輔 まず何の情報もなく、YouTubeで公開される5分ぐらい前からずっと待機していたんですが、1分前からカウントダウンが始まるじゃないですか。僕、すごい緊張してるなと思って。となると、「僕、櫻坂のことめちゃくちゃ好きなんだな」って安心もできたんですよ。だけど、曲が一番大事なんで「どうだろう?」と思っていたら、1番のサビが終わった段階でこれは素晴らしいと。今までのシングル表題曲の中でも、一撃で「めちゃくちゃいい」って心から思えたんです。それと同時に、僕はナスカが大好きなんですけど、その時点ではナスカの曲だとは知らないわけですよ。でも、勝手に「これ、ナスカ曲だったら最高なのになあ」とか思っていて。で、終わってすぐに僕が一緒にラジオをやっているチームのグループLINEに、「これ、最高です! ちなみにどなたが作曲されてるんですか?」って投げかけたら、ひと言「ナスカ」と返ってきて。僕、外にいたんですけど「えっ!!」ってかなりの声量で驚いたんです。それでまた感激しちゃって、全身鳥肌が立ったっていうのがお昼の12時5、6分ぐらいの出来事です。

――なるほど(笑)。僕は曲を聴く前に、大園(玲)さんの雑誌連載の取材で先に新曲の雰囲気を聞いていたんですが、「バラード調というか落ち着いた感じで、歌詞は別れを相手にどう切り出していくかという内容で」と。このタイミングでそういう曲で勝負するんだって、若干不安があったんです。なんとなく『五月雨よ』の延長なのかなと思ったんですけど、延長ではあるものの何歩も飛び抜けて、ものすごいものが来ちゃったなと。これは本気で勝負に出たなと思いました。

遠山大輔 おー! その言葉を聞いて僕が嬉しいです。

――言い方はあれですけど、ダンサブルで激しい曲を持ってくれば今の櫻坂だったら軽く平均点を超えられるだけのものが作れるじゃないですか。

遠山大輔 TikTokとかでもたくさん再生されてとか。

――そう。でも、そういう安易な方向に行かないで、櫻坂46というグループ名や纏うイメージを含めて、全部ここにぶち込んできたなと。

遠山大輔 はー、なるほど。昨年の東京ドーム以降、菅井(友香)キャプテンが卒業されて、また新しく歩き出さないといけないタイミングですし、怖れずにその見え方やイメージを変化させないといけないんだと。そこで新二期生の守屋麗奈さんがセンターに立つことで、まだ見たことのない櫻坂を表現するいい機会にもなるだろうし、その守屋さんの可愛らしいキャラクターを反映させた曲ではなく、めちゃくちゃ美しい曲で勝負してきた。その落差が良い意味ですごく衝撃で、さらに曲の良さでそのギャップが増幅されたのかなと思いました。あと、今回の『桜月』はテーマもすごく等身大で、10代になればほとんどの人が経験する普遍的な話でもあるので、メンバーがこれを歌唱する時はより気持ちが入れやすいのかなと。さらに、BPM(曲のテンポ)もすごくいいなと思ったんですよね。例えば、デカい会場でBPMが速い曲を披露すると、物理的な問題でどうしてもズレが生じてしまって、なかなか後ろまで届きにくい。10年ぐらい前にONE OK ROCKのTakaさんが、たぶん海外ライブを始めた頃のアルバムでラジオにゲストで来ていただいたときに、その話になって。「BPMが速いと後ろまで届かないから、もっとドーン!ドーン!っていう後ろまで届くようなテンポの曲を意識して作り始めている」と言っていたんです。

――インタビューの続き、櫻坂46特集は発売中の「BRODY4月号」で!

取材・文=西廣智一

遠山大輔=とおやま・だいすけ|1979年5月10日生まれ、北海道出身。お笑いトリオ・グランジのメンバー。TOKYO FM/JFN38局「SCHOOL OF LOCK教育委員会」(毎週金曜23:00~)、TOKYO MX「69号室の住人」(毎週火曜25:35~)、bay fm「シン・ラジオ」(毎週月曜16:00~)などに出演中。

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