R-指定&梅田サイファー、メジャー1stアルバム『RAPNAVIO』リリース記念インタビュー

R-指定&梅田サイファーメジャー1stアルバム『RAPNAVIO』リリース記念インタビュー

歩道橋からメジャーへ、今やテレビでその大所帯を目にすることも多くなった梅田サイファーが、待望のメジャー初アルバムをリリース。今回は、公私ともに大忙しのR-指定の近況、時事ネタをお送りします。

梅田は全員野球

――服部緑地での「THE CYPHER REVENGE」と梅田サイファー『RAPNAVIO』のリリースライブ、お疲れ様でした。

R-指定 ありがとうございます。

――「THE CYPHER REVENGE」に出演したIKE&rice water Grooveの連中に会ったら「すげえ勉強になりました」とすごく喜んでて。

R-指定 うわ~、そういってもらえるのが一番嬉しいですね。僕らもIKE&rice water Grooveはじめ、出演していただいたグループのライブは、すごく勉強になったし、そうやってお互いに喜べてるのはめちゃくちゃ嬉しい。あの日は出演者だけじゃなくて、たまこぅとかK-razyみたいなラッパーも登場して、最後はワチャワチャになりながらフリースタイルできたのも、ヒップホップやな~と思いましたね。

――ステージにもはや関係ないやつまでいるのがヒップホップだからね(笑)。

R-指定 間違いない(笑)。あの日はいろんなハイライトがあったし、挙げればキリがないんですけど、フリースタイルで個人的にパンチライン過ぎたのはHIDADDYさんのラインでしたね。10回クイズってあるじゃないですか。

――「ピザって10回言って」みたいな。

R-指定 まさにそれで、いろんなピザ屋の名前を言うようなノリが生まれた時に、まずERONEさんが「ピザピザピザ……」って10回言うラインでお客さんを沸かしたんですよね。そしたらHIDADDYさんも「ピザピザピザ……」って10回言って、「じゃあここは?」って肘を指さしたんですよね。

――10回ゲーム的には、思わず「膝」と言っちゃうという定番のやつだよね。

R-指定 そう。それでお客さんも分かってるから「肘!」って返したら、「違う! HIDAや!」と。

――ハハハ。もはやトンチだけど、間違ってはない(笑)。

R-指定 もうそれを即興でやられたんで、文字通り膝から崩れ落ちましたね(笑)。

――そこからもいい空気だったんだろうなと。

R-指定 良い意味で緊張せずにできましたね。僕らのライブも本当に昔の梅田に戻ったような、ゆるっとした感じでできましたね。

――歌番組にもかなりの本数に梅田サイファーとして出てたけど、普通にteppeiくんがサングラスをイジられてたりして、そういう空気感は制作者側にも伝わってるのかなと。

R-指定 笑いますよね。「なんでコイツらNHK出てんねん」みたいに客観的になると(笑)。

――それは普通にポピュラリティを得られてるということだと思うし、アルバムの風通しの良さにも繋がってるのかなと。

R-指定 ホントに全員野球ですからね。誰がどの口で言うか

――その『RAPNAVIO』インタビューは後半に続くということで、話は変わると前回はスチャダラパーのお三方に、Rくんのスチャダラパー(以下、SDP)分析の回答編をお願いいたしました。

R-指定 本当に面白かったし参考になりましたね。Boseさんが「SDPはいまだったら迷惑系YouTuberになってた」というのはめちゃくちゃ分かります。だって今回のアルバムには入ってないですけど、毎回ずっと「ドリームフィニッシュ」をやってたじゃないですか、僕らも。

――梅田サイファー内の極悪下ネタユニット。そしてその片鱗が『RAPNAVIO』だと“PARTY”の〈イッても終わってたまっかタマキン〉というRくんのリリックに滲み出てる。

R-指定 隠しきれなかったすね(笑)。でもラッパーってだいたいそんなもんやと思うんですよ。いまでこそコンプライアンスとか、この表現は誰かを傷つけるんやないか、とかそういうことを意識するようになりましたけど、昔は曲の内容もメディアでの発言も、なんにも考えてなかったですからね。リスナーのことを意識するという考えが無かったし、周りの奴らに伝わればいい、そういう奴にだけ明かすような内容を書いてたし、発信してた。でもそれがいつしかめっちゃいろんな人に聴かれるようになって、その一部分だけをピックアップするような人も出てきたり。

――「自分の表現」が「社会」と繋がってると思えなかったというか。俺も紙がメインだった時はなんにも考えてなかったな……。

R-指定 「誰が聴いてんねん」と思ってたのはあるっすよね。それがいつしか思った以上に世間と接点ができてしまったというか。やっぱり芸人さんとかラッパーなんて、「俺はこう思う!」というのを大声で言いたいというのが大本にあると思うんですよね。そしてその叫びどころが音楽なり、劇場なりになってるから世間からは「芸人」とか「アーティスト」と捉えられてますけど、それが見つからなかったら路上でただ大声出してる人ですよ(笑)。

――その路上がR-指定にとってはさいたまスーパーアリーナになり、迷惑系YouTubeではなくラップを見つけたスチャダラパーは毎年日比谷野音でライブができているという。夢のある話!

R-指定 ホント、僕も松永もTikTokやYouTubeが思春期になくてよかったですよ。それこそ回転寿司で醤油差しを直で舐めた高校生とか、SNSで若者が迷惑動画上げるようなニュースに「何を考えているんでしょうか」みたいな立場の顔してますけど、「いや、俺らが高校生の時にTikTokとかインスタあったら、もっとひどいことやってたよ」と思うんですよね。だから、今の子をなんにも責められへん。

――それは本当にそう思う。

R-指定 仲間内でやってるいたずらとか、軽口がネットを通して不特定多数に届くのは本当に怖いですよね。もちろん、人に迷惑をかけるようないたずらや、あまりにもひどい軽口は許されることではないですけど、でもそれが「自分たちの周り」にだけ伝わると思ってたら、それが世の中にも伝わってしまう。

――「身内にウケよう」と思って「身内しか見てない」はずのSNSに載せたら、それが世界に繋がってて、そこにはそれを責めたい人が沢山いるという。

R-指定 怖いっすよね。俺だって同世代のアホに届けるぐらいしか考えてなかった、実際それぐらいにしか届いてなかったはずの「mixi」とか「前略プロフ」「魔法のiらんど」に書いてたことを、今になってネタにするやつもおるし。まあ、それが「社会」とか「社会性」ということなのかも知れないですけど。

――「社会」のあり方が広くなってるよね……思いもよらずポリティカルな話になってる(笑)。

R-指定 確かに。でも内輪で話してる時に、まあ世の中的には許されないような発言があっても、それは内輪の中での発言だし、そこにそういう文脈があるじゃないですか。でも、その文脈と切り離して発言だけが独り歩きしてしまうのも怖いですよね。

取材・文/ 高木“JET”晋一郎

――まだまだ終わらないインタビューの続きは発売中の「BUBKA6月号」で

R-指定 1991年大阪府生まれ。中学生の時に日本語ラップと出会い、リリックを書き始める。高校1年生の時に足を踏み入れた梅田サイファー、そしてDJ松永とともに結成したCreepy Nutsのラッパーとして活躍中。バトルMCとしても、2012年からの「UMB」3連覇をはじめ、テレビ朝日『フリースタイルダンジョン』での2代目ラスボスなど、名実ともに「日本一」の実績を誇っている。また、ニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』のパーソナリティーや、テレビバラエティーやドラマ・映画の出演などの幅広い分野で活躍している。

RAPNAVIO (完全生産限定盤) (特典なし)
Amazonで購入

BUBKA(ブブカ) コラムパック 2023年6月号 [雑誌] Kindle版
Amazonで購入

Amazon Kindle
楽天Kobo
Apple Books
紀伊國屋Kinoppy
BOOK☆WALKER
honto
セブンネットショッピング
DMM
ebookjapan
ブックパス
Reader Store
COCORO BOOKS
コミックシーモア
ブックライブ
dブック
ヨドバシ.com

櫻坂46三期生表紙:BUBKA (ブブカ) 2023年 6月号
Amazonで購入
HMV&BOOKS onlineで購入(特典ポストカード・石森璃花/遠藤理子/小田倉麗奈/小島凪紗/谷口愛季)
セブンネットショッピングで購入(特典ポストカード・中嶋優月/的野美青/向井純葉/村井優/村山美羽/山下瞳月)

関連記事

BUBKA RANKING23:30更新

  • 連載・コラム
  • 総合
  1. 船木誠勝「ガチンコでやれば八百長って言われなくなる 単純にそう思ってましたね」【UWF】
  2. 吉田豪インタビュー、TOSHI-LOW 90年代、あの刹那の先にある今
  3. 「ノイミー」永田詩央里のブログが良すぎる件
  4. R-指定(Creepy Nuts)が語るスチャダラパーの時代
  5. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  6. 乃木坂46佐藤璃果「田舎から出て、違った世界を見てみたいなっていう気持ちはずっとありました」
  7. 【BUBKA12月号】吉田豪インタビュー 証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代~vol.18 吉泉知彦(古泉智浩)
  8. 【BUBKA1月号】侍戦士と振り返る、80、90年代の豪快プロレス黄金時代…越中詩郎
  9. 猪木と馬場、二人の神を師に仰ぐ双頭のサムライ・越中詩郎が語る
  10. 「ノイミー」川中子奈月心の魅力を楽曲でひもとく
  1. 天羽希純、美谷間チラり「清楚チックなカラー」“0時からのシンデレラ”風の姿で登壇
  2. 美少女系グラドル有村果夏、際っきわの衣装で極上のスレンダーボディーをアピール
  3. グラビアアイドル星名美津紀「ヒールでツンツン」かわいすぎる“S”シーンをアピール
  4. 筧美和子、お気に入りは「解放し切った状態で撮った1枚」お肉もお酒も解禁
  5. グラビアアイドル葉月あや「3枚組ですよ!」12時間大ボリュームの作品をアピール
  6. 星名美津紀、グラビア新境地…女王様的なシーンも披露
  7. 高身長スレンダーグラドル鹿、抑えきれない大人の魅力と大胆シーンにドキッ
  8. 黒髪が似合う猫目のピュア系女子・黒崎ひかり、1st DVDで見せた新人の最強スレンダーボディー
  9. 新人グラビアアイドル阿部まこ、強烈な存在感を放つ美ボディーでDVDデビュー
  10. #2i2天羽希純、4年ぶり紙の写真集発売「“すっぽんぽん”みたいなカットも」