維新力浩司、知れば知るほど相撲が見たくなる「聖域」という場所のリアル

「BUBKA8月号」に登場している維新力浩司
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「相撲」という題材でNetflixグローバルチャートトップ10入りという快挙を成し遂げた『サンクチュアリ 聖域』。前号に引き続き、作品の魅力を伝えたい!ということで、今回は作品の相撲指導と監修を務めた元大相撲力士の維新力浩司が登場。「相撲ってよく知らなかったけどこれってホント?」な疑問を、本誌でもおなじみプロ野球死亡遊戯が聞きつくします。

傷口に接着剤を

――維新力さんは、『サンクチュアリ』にどの段階から参加されているんですか?

維新力浩司 僕がお話いただいたのは、2019年の11月にNetflixさんから、こういう企画がありますと。監督さん、脚本家さんとお会いして、台本見せてもらって、監督もよりリアルにやりたいからと。僕は台本見ながら、「これはリアル、これはフィクション」って話して、2020年から主役のオーディションが始まりました。

――作中では冒頭から相撲シーンの迫力と激しさに圧倒されました。例えば日本の野球映画でも、役者さんが野球できなくて肝心の試合シーンがどうしてもしょぼくなりがちなので。

維新力浩司 僕が経験した相撲部屋の稽古をまず基礎からやって、そこからもう体力作りですよね。増量も含めて。役者さんは主役・猿桜の一ノ瀬(ワタル)さんも含めてほんと大変だったと思いますね。監督さんからもリアルな厳しい稽古という要望があったんで、がっちりと。もう毎週、ほぼ毎日、道場を借りてやってました。相撲経験者もいたんですけど、俳優さんはほとんど未経験なんで。股割りが一番キツいんですね。でも、一ノ瀬さんも最後はもう床につくようになりましたし、最初は汚い四股だったのが、だんだん綺麗になってきたりしましたね。すり足もそうですけど。でも、膝は本当に辛そうでした。テーピングがっちり巻いてますからね。

――あれも演出なのかリアルな怪我なのかわかんなくて。稽古場の描き方も、維新力さんの現役時代の体験がかなり反映されているんですか?

維新力浩司 そうですね。まあ、僕は昭和の時代だったんで、ああいう可愛がりであったりとか、実際経験したことを踏まえて、監督さんなり脚本家さんと話して。今じゃあんまりダメですけど、でも「昔はこうだったんだな」っていうようなリアルな部分は伝わったのかなっていう。川崎の体育館を国技館のセットで作ったりとか、支度部屋を東宝さんでセット作ったりとか。あとは、化粧まわしや締込とか、髷とか、浴衣にしても何しても、すごいリアルに作っていただいたんで。そういう裏方さんの力もあって、この作品はいい感じで出来上がったなって思いはありますね。

――役者さんの体型も物語の進行とともに変化していきますよね。

維新力浩司 そうですね。お相撲さんって、番付とともに体もだんだん大きくなってくんですけども、エンディングの時には一ノ瀬さんも技術や体が、すごく力士らしくなってきて。他の役者さんも、これ本当プロ行ってもやれるなぐらいの。もう変な話、序二段、三段目ぐらいで戦えるぐらいの方もいましたからね。だから冗談で、「じゃあもうこの猿将部屋チームで実業団作っちゃおうか?」って(笑)。

――相撲シーンを追求した結果、みんなマジで強くなってしまったと(笑)。もう部活ですよね完全に。それこそ力士がみんなで生活する大部屋シーンは、部室みたいな雰囲気でしたが、実際の相撲部屋もあの感じで。

維新力浩司 全部、ほぼリアルですね。関取にならないと個室は与えられないんですよ。だから、ああいう大部屋で。みんな雑魚寝して。ちゃんこ番も、みんなで料理しながら、番付の上から順番に食べていくんですけど。昔はやっぱそんなに量もないし、番付が下がるとどんどん中身も減ってくるから、取り合いですよね。だから、ちょっと気の弱い子はね、躊躇しちゃって。もう野菜とね、出汁ぐらいしか残ってないっていう(笑)。でもこれは、悔しかったら、うまいもの食いたかったら強くなれっていうことですから。大部屋であんな風にふざけたりとかも、ほんとリアルですね。

――視聴者もどこまで本当なんだろうかと、半信半疑で相撲の世界をのぞき見ている感覚だと思います。アロンアルファで自分のかかとをくっつけて傷を治すシーンは……さすがに演出ですかね?

維新力浩司 嘘だと思うだろうけど、あれは本当にやってます(笑)。かかととか、親指が割れるんですね、乾燥しちゃって。塩とか砂が入ると、もうたまらなく痛いんですよ。アロンアルファだと固くなって傷口が塞がる。また稽古したら広がるので、それを繰り返しやって治す。僕らがそういう話をしたら、ドラマでも「あ、じゃあそれやりましょう」っていうことで。

――力士が給料を親方(ピエール瀧)から手渡しで貰うっていうのは?

維新力浩司 昔は手渡しですけど、今は振込みだったり、付き人がその場所、協会まで取り行くパターンもありますよね。ただ、若い子たちは親方の部屋に呼ばれて。まあ、場所手当て6回しかないんでね。手渡しで封筒から渡されるパターンが多いですよね。

――まだまだ続くインタビューの続きは発売中の「BUBKA8月号」で!

取材・文=プロ野球死亡遊戯(中溝康隆)

維新力|1961年生まれ。大相撲「大鳴戸部屋」力士として在位20場所に及び活躍。初土俵は1976年3月。91年1月より戦いの場をリングに移し、天龍源一郎率いるSWSにてプロレスラー「維新力」としてデビュー。2022年に31年のプロレス人生に幕を閉じる。1994年から吉祥寺駅徒歩一分の場所で「どりんくばぁー 維新力の店」を営んでいる。

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