呂布カルマ×R-指定、ラッパーにとってMCバトルとは?

「BUBKA9月号」に登場している呂布カルマとR-指定
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R-指定とゆかりのあるアーティストをお招きしてお送りする『新・Rの異常な愛情』。今回は『UMB』、そして『フリースタイルダンジョン』で、今なお語り継がれる一戦を繰り広げた呂布カルマが登場。前編では、2人の出会いと『ダンジョン』、MCバトルへの思いを存分に語ります。

『UMB』のトラウマ

――今回の「Rの異常な愛情」は、『フリースタイルダンジョン』などを通して縁の深い呂布カルマくんを迎えて進められればと思います。まず、Rくんと呂布くんのファーストコンタクトは?

R-指定 梅田サイファーのKZとKBDが主催した大阪のイベントに、呂布さんがゲストで来てくださったのが最初ですよね。

呂布カルマ Rはグループで出とったんよね。

R-指定 僕はコッペパンでしたね。呂布さんはもう1枚目(『13shit』(2009年))を出してはりました?

呂布カルマ 出たぐらいかな。ABNORMALBULUM@のリリパに呼ばれたり、地元の先輩クルー・BB9について『ENTER』のバトルで大阪に行ったことはあったんだけど、メインゲストとして呼んでもらったのは、その時が初めてで。

R-指定 BB9とはどういう繋がりだったんですか?

呂布カルマ 名古屋で俺がレギュラーで出てたイベントにBB9がゲストで来て、その流れでBB9のやってるサイファーに行きはじめたのがキッカケ。

R-指定 「名港サイファー」ですか。

呂布カルマ そうそう。

R-指定 梅田のやつらも何人か行ったことありますよ。

呂布カルマ KZとかKennyDoesが来てた。もうポテンシャルの違いを遺憾なく発揮して帰っていかれましたよ、皆さん(笑)。

R-指定 ずっとラップやり続けてたでしょ?

呂布カルマ 「めっちゃやるやん、こいつら……」と思った(笑)。Rのことを認知したのは『ENTER』。BB9のK.Leeさんは、『UMB』の愛知代表にもなったり、愛知でフリースタイルやらせたらトップの人なんですよね、その人に当時16歳ぐらいのR-指定が勝ったんすよ。僕らはRのことを知らんかったし、K.Leeさんが少年に負けたんで、「何? どういうこと?」って。

R-指定 それこそK.Leeさんは名古屋の代表やったから、当時の自分としても「これは倒したら勢いがつくぞ」みたいな感じで挑みましたね。しかもK.Leeさんの次は漢さんっていうめっちゃいかついトーナメントやったんすよね。

呂布カルマ 優勝したっけ?

R-指定 そん時は決勝でERONEさんに負けたんですよ。

呂布カルマ そっか。で、その後にさっき話したイベントに呼んでもらったんで、そこで「あん時のあの子やんな」みたいな。

R-指定 でも、その時もその後も挨拶とか軽く話すぐらいで、一番長く言葉を交わした最初は2014年の『UMB』ですね。

――いまだに「どちらに転んでもおかしくなかった」と言われる、『UMB』の中でも屈指の均衡した試合だったR-指定VS呂布カルマ戦が、最初の長い会話だったと。

R-指定 そうなんすよ。ホンマに接戦やったし「呂布さん勝ってたやろ」みたいな声も少なくなくて。帰り道も「ほんまに俺、優勝したんか?」みたいな(笑)。

呂布カルマ Rがそもそも後味悪い顔してたもん、ステージの上で(笑)。

R-指定 一応、勝敗はついたけど「延長でもいいんじゃね、これ」と、自分も思ってるみたいな。

――しかも、オーディエンスジャッジは拮抗してて、審査員のジャッジで決まったバトルでしたね。

呂布カルマ でも、僕としては1本目で出しきってたんで、「延長ってなってもたまらんな……」って感じやったんすよ。だから納得してる部分もあったんですけど、裏に戻ったら他のプレイヤーたちが「いや、呂布くん勝っとったで!」みたいなことをめちゃくちゃ言ってくるから、「え、そうなん?」って後から思うというか(笑)。

R-指定 だから、しばらく呂布さんの存在がトラウマでしたね。

呂布カルマ あれが決勝やったら後味悪いけど、その後しっかり勝ち上がってRが優勝してるから、納得の結果やけどね。

R-指定 自分的にはかなり苦しんだ戦いです。終わった後も毒針がずっと刺さってるみたいな。その後に名古屋でDJ RYOWさんのイベントに客演(“ビートモクソモネェカラキキナ2016 REMIX feat.般若,漢 a.k.a.GAMI&R-指定”)で行った時に、ちょっとだけお酒飲んで、ゆっくり外の地べたに座り込んで喋ったんですよ。

呂布カルマ あれが最初か。刃頭さんの店(「JIRRI.」)にも一緒に行ったり。

R-指定 ピザ奢ってもらいましたね(笑)。そして、その後でまた『ダンジョン』で戦うみたいな。

聞き手・構成/ 高木“JET”晋一郎

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呂布カルマ|1983年生まれ。愛知県名古屋市を拠点に活動するラッパーであり、グラビアディガー。JET CITY PEOPLE代表。数多のMCバトルで優れた戦績を記録し、今なお更新中。最新アルバムは『Be kenja』(2021年)。初の書籍『ブレん人』(コスミック出版)が発売中。

R-指定|1991年、大阪府出身。Creepy Nuts、梅田サイファーのMCとして活躍中。バトルMCとしても、2012年からの「UMB」3連覇をはじめ、テレビ朝日『フリースタイルダンジョン』での2代目ラスボスなど、名実ともに「日本一」の実績を誇っている。

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