2024-02-17 21:00

乃木坂46山下美月「アイドルファンからアイドルになったことが、今はすごい楽しいんです」【BUBKAアーカイブ】

「BUBKA2018年2月号」に登場する乃木坂46・山下美月
「BUBKA2018年2月号」に登場する乃木坂46・山下美月
撮影/松田忠雄

乃木坂46・山下美月にインタビューを実施――。もし、学校に山下美月がいたらどうやって仲良くなろうか。ありえない話だけど、人間の想像力は無限。頭の中で空想してみるのも良いと思う。そして、力強い瞳に引き寄せられて、気づいたら日本中に彼女が夢中……。そんな現実を楽しみに待とう。――過去に発売された「BUBKA」より、注目の記事を紹介する<BUBKAアーカイブ>。今回は、2018年2月号より乃木坂46・山下美月をピックアップ!(※記事の情報は発売当時のもので最新のものではありません)

夢を見つけた

――山下さんは何度取材しても面白いんで、今回もたくさんお話を聞かせてください。

山下美月 でも「目標・無理をしない」って決めたんですよ。

――えっ? 無理をしない?

山下美月 最近ちょっときつくなってきたんです。迷走中。

――でも、キャラを作ってる訳じゃないですよね。

山下美月 そうなんですよ。私、別に作ってないんです。でも、ブログ書いたり、SHOWROOMやったり、『乃木坂工事中』に出たり、その場所その場所で一回一回、気合いを入れすぎちゃうんです。すごい力んじゃって。それが結果的に元の自分にいろんな上乗せをしちゃって、迷走して、自分がどっか行っちゃいました。私、結構インタビューとかで難しいことを言ってしまうんです。自分のその時の気持ちとかを話してるだけなんですけど、後々見返してみると複雑な、心の奥底の事を話してて。なんかそれを見て、計算高いとか言われるんですけど、計算高かったらこんなこと言わないよって思います(笑)。

――まだこちらが何も質問していないのに、開始30秒でいきなりトップギアですね。

山下美月 フフフ。

――でも、その感じこそが山下さんの魅力ですから、これからもガンガン言いたいこと言うスタイルで良いんじゃないですか?

山下美月 本当ですか? やったー!

――何も質問しなくてもインタビューが成立する方なので、とりあえずざっくりと聞きますが、最近どうですか?

山下美月 東京ドームが終わって、これからやりたいことって何だろうなって思うようになっています。普通のアーティストさんって、最初に武道館を目指して、そこから東京ドームのようなもっと広い場所を目指すって感じの方も多いと思うんですけど、私たちは武道館が始まりの場所で、一年経たずして東京ドームに立たせていただいたから、自分自身で目標を見つけないとなって考えていて。それで将来の夢なんだろうなって考えたら「スーパーキラキラアイドルになる」っていうのが、私の夢だな~って思って(笑)。

――破壊力抜群のネーミングセンスですね(笑)。でも、女優やモデルに憧れてアイドルになる方が多い中で、その夢は山下さんの信念を感じる素敵な目標だと思います。

山下美月 乃木坂46が好きだったし、乃木坂46に入れたことだけで最初は幸せだったけど、そんな甘いことを言ってるわけにはいかないじゃないですか。まだまだ選抜に入った経験もないし、もっと上に上に行かないといけないなって思った上で、あ~私はやっぱりアイドルやってるのが好きだなぁって。今まではアイドルが好きだったけど、今はアイドルをやっていることが好きってだんだん変わってきたんですよ。

12歳の自分

――「アイドルをやっていることが好き」な山下さんにとって、東京ドームのステージにアイドルとして立てるのは最高に幸せなことだったんじゃないですか?

山下美月 実は私、AKB48の前田敦子さんの卒業コンサートを観に行っているんですよ。東京ドームに。そのときに二階席の上手側の前から3列目に座っていたんですけど、『ダンケシェーン」とか「ハウス!」とかでそっち方面行った時に、あの辺りで観てたなぁ~と思い出して。当時の私はその席で推しメンであり、憧れである、大島優子さんと目が合った気が一瞬したんですけど、やっぱりこんな後ろの席だし向こうからは見えてないんだろうなとか、思っていたんです。でも、自分がステージに立ったら、ちゃんと自分が座っていた席の方の顔が見えたんです。それで、あの時の大島優子さんも私の事ちゃんと見えてたのかもって思って、5年前の12歳だった時の私と今の私が繋がったような気がしました。その時に、あらためてファンの方一人一人の事を大切にするのもそうだし、ライブでああやって大きい所でやらせていただいたことを普通だと思わずに、一番後ろの席の方まで楽しんでいただきたいって気持ちももっと芽生えました。

――素晴らしい話ですね。

山下美月 だから、アイドルファンからアイドルになったことが、今はすごい楽しいんです。そして、芽生えた夢がスーパーキラキラアイドル。なんか本当にバカみたいな夢なんですよね(笑)。

――いやいや、美しい夢じゃないですか!

山下美月 私は乃木坂46が好きでアイドルやってること自体が幸せだから……。

――ということは、これからはスーパーキラキラアイドルになるための戦いだと思います。そのために乃木坂46でどんなことをしていきたいですか?

山下美月 さっきも言ったように、私は大島優子さんが好きなんですよ。今でも昔、集めていた生写真を見たりするぐらい。昔はどんな辛いことがあってもチームKさんの公演のDVDを学校から帰ってきて観たら超元気が出たんです。そういう力を持った大島優子さんのような人って、アイドルを辞めてからもそこで終わりじゃなくてこれから先も、ずっと記憶に残るんですよ。だから私も、いつか乃木坂を卒業した後も、私の事を応援してくださる方を幸せにできるような存在になれたらなと思います。

――いつも思うんですけど、山下さんの目標は本当に長期的な視野を持っていて、壮大ですよね。もうすでに辞めた後のことまで考えているなんて。

山下美月 いつか終わりが来ちゃうわけだけど、終わらないで欲しいっていうか。ずっと山下美月っていうアイドル像が私が死ぬまで続いてくれるように、人間性を認めてもらいたいなって思うんですよね。私も大島優子さんを初めて生で見た時の感動は一生忘れることもないし、ずっとその姿は私の心の中に残っていて、今もそれをモチベーションにしている自分がいるので。

――今日の話を聞いて、今までの山下さんのパフォーマンスや言動の源泉がどこにあるのかを知れた気がします。

山下美月 私の追い続けているアイドル像ていうのが大島優子さんでありチームKさんの姿だったから、それをずっと追い求めてるんだと思います。

――山下さんが10年早く生まれていたら、一緒に『草原の奇跡』を歌ってたかもしれないですね。

山下美月 あ~、いいですねぇ! 泣いちゃう……。

――色々、腑に落ちましたよ。

山下美月 でも、やっぱり乃木坂46は乃木坂46です。個人個人の活動も大切にしてて、それで輝いているのがグループの魅力だったりもするから、チームKさんのような情熱的な体育会系って感じでもないんですけど、そこを目指している私自身がひとつの個性になればいいんじゃないかなって思って。

――先輩たちとは違う個性を出すのが山下さんの目標なわけですから、それで良いと思います。

山下美月 「先輩を見てるだけで幸せ」って言ってる子もいて、それはそれでいいと思うし、それも個性だと思うけど、私は早く並ばなきゃ、いつかは追い越したいって情熱を持ち続けていきたいです。まぁ、乃木坂46らしくはないのかもしれないけど、私にとっての個性はそれだし、それを失くしちゃったら私はもう何もなくなっちゃうから(笑)。でも、先輩たちの壁が厚すぎて……。

――まあ、現アイドル界では最強の先輩たちですからね。

山下美月 なんかもうすっごいんですよ。でも、先輩方が素晴らしいからこそ、乃木坂46ってグループに惹かれたし、今ここにいられて良かったなって心から思える。それに先輩たちの壁が厚いからこそ、超えなければいけない、先輩方が卒業されたとしても、次は私たちが乃木坂46を絶対に引っ張って行かならなければいけないって思いがあるので。たぶん私はそういうのに一番燃えられる人だと思っています。

欅の影響

――今日の山下さんすごいですね。いつも以上に熱いです…。

山下美月 でも、正直言うと、先輩たちは絶対に超えられない……って思ったりもします。だから塗り替えていくしかないかな。

――超えるのではなく、塗り替えていく。

山下美月 乃木坂46らしさっていうのは、先輩方が何もない所から作り上げてきたものじゃないですか。だから私もあんまり乃木坂46らしさっていうのを意識しなくなりたいなって思います。そればかりを意識してたら私たちは乃木坂46らしさなんて身に着けられないし、これから先を作っていけないから、一度ちゃんと忘れたいんです。

――山下さんは欅坂46の「全国ツアー2017FINAL!」を観覧されていましたよね。あのライブをど「う観ていましたか?

山下美月 とにかくかっこよかったです。ライブの構成も曲のイメージも衣装も全部、乃木坂46と違いますよね。乃木坂46を意識していないからこそ、あれだけ活躍できるんだろうなって思いました。真似をしていても超えられるわけじゃないっていうのは、あのライブでさらに感じたんです。

――まさに乃木坂46のカウンターになっていますよね。違う価値観をファンに提示しているというか。

山下美月 欅坂46さんって革命じゃないですか。アイドル界で普通だと思われてることをしないで、ちょっとはずれたことをしてるから新しいものを生み出せているんですよね。乃木坂46もAKB48さんとちょっと違う道に行ったから、乃木坂46らしさが生まれて今に至るわけじゃないですか。だから自分自身で違う面白い道を見つけることが大事なんだと思います。

――実はずっと興味があったんですよ。あの欅坂46のライブを観て、山下さんがどう思ったのかを。

山下美月 そうなんですね(笑)。アイドルって面白くなきゃダメですよね。お笑いという意味ではなく。欅坂46さんは観てる人を飽きさせない面白さがあると思うんですよ。それに自分が面白いと思っていることって、きっとファンの方から見ても面白いはずなんですよね。そういう意味でもあれこれ考えすぎずに、自分たちがやりたいことを貫くっていうことは大切だと、あのライブを観て思いました。

――あと、もう一つ聞きたいことがあって。神宮球場でのライブの時に齋藤飛鳥さんが山下さんのパフォーマンスをイジったじゃないですか。

山下美月 はい(笑)。

――もちろん愛のあるイジりなのはわかっていると思うんですけど、それでもそのあとのパフォーマンスは少し萎縮してしまうかなって思って見ていたんですが、全然パフォーマンスが変わっていなくて。その時にこの人は本当にすごいなって思ったんです。

山下美月 だって悪いと思っていないですもん(笑)。飛鳥さんが見てくださっていたことが嬉しいし、そうやって話していただけたことが嬉しいから、気にしなかったです。たしかに期別で見せどころがあるライブだと思うんですけど、ラストに登場する1期生がやっぱりメインじゃないですか。じゃあ、その中で私のファンの方にインパクトを残すためには、それくらいしかないかなって思ってパフォーマンスしているので。場を乱しているとも思いませんし。あと、大島優子さんって人よりも半歩分大きく足を踏み出すんですよ。身長も前田敦子さん、篠田麻里子さん、小嶋陽菜さんに比べたら小さいけど、ステージ上で遠くから見てて一番大きく踊りが見えるために。

――なるほど。そこにも大島優子さんへの憧れが隠されていたんですね。

山下美月 それもファンの方に対する敬意であり、サービス精神だと思うから。

――山下さんは本当にファンのことを大切に思っていますよね。

山下美月 アイドルはファンの方がいないと何も出来ない職業だと思うんです。私たちは本当にギブアンドテイクでやってるから。愛を頂いてそれに頑張りで答えるっていうのが、アイドルの一番素敵なとこだと思います。

――そして、今日のインタビューであらためて思ったのは、パフォーマンスへの意識の高さです。山下さんがレッスンが終わった後も、1人で自主的に居残り練習をしているという話をスタッフさんから聞きました。なぜそんなに頑張れるんですか?

山下美月 私の今の人生の中ではアイドルっていうのが100%で、私にはもうそれしかないから。ダンス、歌、パフォーマンス、バラエティ…っていうのが今の私のすべてなので。ダンスレッスンの時にダンス頑張んなきゃ私は仕事してる気にもならないし、ファンの方を絶対に満足させるっていうのが私のプライドでもあるからです。

山下美月=やました・みづき|1999年7月26日生まれ、東京都出身。3期生随一のパンチラインメーカーである、言葉のウェイト美少女。本撮影の際、立ち寄ったコンビニで遭遇したトイプードルのぬいぐるみに一目惚れし、そのまま連れ帰る。名前は「竜田揚げ」になった模様。愛称は「みつき」。

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