――では続きを。順当にいけばこの2人がセンター、という可能性もあったはず？

齋藤飛鳥　はい。でもそれは想像しやすいというのもあるし、2人ともわりと期待に応えてくれちゃうから、いい意味で完成されてしまいそうだと。それは早すぎないかなっていうことじゃないですかね。

――たしかに、3期生に求めるものって恐らくそこじゃないですもんね。でも、その完成度の高さゆえの苦悩が、2人はあると思うんですよ。

齋藤飛鳥　うん、ありそう。

――なおかつ2人はかなり意識し合っていると思うし、平たく言うとライバル関係かなと。飛鳥さんが今の2人ぐらいの時代には、そういう存在っていましたか？

齋藤飛鳥　ペアにされることが多かったですし、やっぱり星野(みなみ)かな。堀(未央奈)ぐらいの時期になると、ペアにはなっていても、こちらはあんまりライバル意識っていうのがなくなっていたので。うん、星野にはありましたね。

――編集部の方から聞いた話ですが、星野さんの写真集告知用に動画を撮りましたよね。そのとき、飛鳥さんは星野さんのことを「絶妙な距離感」という言葉で例えたようで、それは星野さんの顔のパーツの話なんですけど、自分と星野さんとのパーソナルな距離感のことも表したダブルミーニングなのかなと思って、「この人天才か！」と驚かされたんですよ。

齋藤飛鳥　いやいやいや(笑)。

――そんな絶妙な距離感が、当時はあったんですか？

齋藤飛鳥　ありましたねぇ、当時は。

――飛鳥さんが久保さん山下さんラインだとすると、星野さんはどちらかと言うと…。

齋藤飛鳥　あっち側ですもんね。

――まあ、そうですよね。そこに対するジェラシーみたいなのもあったんですか？

齋藤飛鳥　昔はありました。当時、星野とペアにされることが多かった時期は、自分の立ち位置的なものも今よりもだいぶ低かったし、今みたいに呑気に考えられなかったです。もちろん星野にはいろんな魅力がありますけど、それを彼女はわりと隠すから。意識して隠すわけじゃないんだろうけど。

――隠すとは、どういうことですか？

齋藤飛鳥　本気を出したら本当は超すごいのに、それをしなくても成立する人だし、しないっていう選択をしているときもあるんだろうなっていう。ライバル視もしてたけど、驚異の存在だ、私は絶対に敵わないと思って、最初から諦めみたいなものもありました。