2023侍JAPANを大いに語る!!【完全版】

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WBCが持つ
甲子園感

──今大会、大谷・ヌートバーと同じくらい話題になっているのは、これまた日本の至宝とも言うべき存在である、ダルビッシュ有の出場です。

中溝 康隆 ダルビッシュって、年齢的には昔で言う村田兆治とか鈴木啓示とか山田久志みたいなベテランの大エースぐらいの年齢なのに、またメジャーで大型契約をしたじゃないですか。前人未到の領域に来てる投手ですよね。

生田 登 ちょっと意地悪な指摘をさせてもらうと、ダルビッシュって09年のWBCでクローザーとして世界一に導いた侍ジャパンのスーパーアイコンでありながら、自身がメジャーに行った後に盛り上がっている13年のWBCに対して「この大会、アメリカ人は誰も知らないんですよ」ってTwitterでつぶやきまくってたんですよ。「誰も話題にしてないよ、WBCなんて。なに日本のみんなはそんな騒いでるの? これがアメリカの現実、世界の現実だよ」って言ってた人間なんですよ。

中溝 康隆 俺、当時それに対して引リツして反論したりしてましたからね(笑)。

生田 登 ダルビッシュは純粋な人だから、「世界最強タッグリーグ戦」とうたっているけど、世界最強を決めてないじゃんっていうタイプなんでしょう。

伊賀 大介 オリンピア。

生田 登 そう、オリンピア。たしかにダルビッシュの言うことは正論かもしれない。ただ、俺たちは鶴田・田上対三沢・川田を楽しんでるんだと。これがWBCを観るファンの感情。

──たしかに当時はWBCで盛り上がる野球ファンとそれに対して冷や水をぶっかけるダルビッシュという構図でしたよね。

生田 登 そうそう。そのダルビッシュが世界最強タッグに、「ぜひ出たい」って言って、キャンプから侍ジャパンに同行するっていうのは、なんかすごく面白いなと。そして、その心境の変化を生んだのも、これもやっぱり栗山さんだと思うんですよ。本当に人たらしというか、「栗山さんに言われたら」みたいな魅力がある人なんでしょうね。

中溝 康隆 ダルビッシュって沢村賞の選考でもそうでしたけど、往年の大投手とかとはぶつかるんですよね。でも、逆に栗山さんクラスだと上手くやれるんでしょうね

伊賀 大介 あと、山本聖子パワーっていうのがあるかもしれない。日の丸を背負って戦う姿を子供に見せたいっていう。

──栗山監督の人心掌握術、日の丸の魔力、そこに魅かれたというのはわかるんです。でも、まだ若干腑に落ちない部分があって。だって、ダルビッシュのような合理主義者や大谷のように世界最高峰の舞台で誰も成し遂げたことのない偉大な挑戦をしている選手が、それでもリスクを背負ってこの時期に行われる大会に出場するって、よほどのことだと思うんです。

中溝 康隆 選手心理からすると、WBCがないともはや目標が「メジャーリーグ」しかなくなるからっていうのはあるかもしれないですよね。山本由伸なんかも正直、日本ではもうやることないけど、WBCでアメリカ相手に投げたら面白いんじゃないかとか、佐々木朗希ももうWBCがなければ、ファンが語るべき内容は「いつメジャーに行くのか?」だけじゃないですか。そういう意味でも参加意義はあるし、モチベーションになりますよね。

伊賀 大介 そうですね。あと、WBCってオランダ代表と8-6になったりとか、ちょっと高校野球っぽさがあるじゃないですか。それも良いんじゃないすかね。

生田 登 イスラエル代表とかに「あぶねー」みたいな展開とかね。そういう意味では、やっぱり選手たちもみんなどこかでもう一度、高校野球をやりたいって気持ちがあるのかもね。本当に熱くひたむきに勝ちを目指すみたいな。

中溝 康隆 俺も17年大会のスポーツ報知の正月紙面で、「WBCは世界甲子園だ」みたいなコラムを書きました。140試合のペナントレースではなかなか味わえない一球入魂感。13年大会で巨人じゃおじいちゃんの散歩とディスられた阿部慎之助が一塁にガチの全力疾走したんですけど、普段なら絶対にしないですからね。そのあたりのスペシャル感っていうのを見せてくれてる大会がWBC。

生田 登 あと、大会の価値って結局誰が参加してるかで変わっていくというところでは、今年の侍ジャパンなんてほぼマックスの布陣じゃないですか。「その仲間に俺も入れてくれよ」って心理も選手たちにあると思うんですよ。

──なるほど。スターがスターを呼び寄せる構図になっているんですね。

生田 登 このサロンがすごく魅力的で、このメンバーの一員になりたいっていうね。そう考えると、ますます『熱闘甲子園』のキャスターだった栗山さんが監督であるというのは非常に親和性がありますよね。

──「世界甲子園理論」すごく納得出来ました。

伊賀 大介 今大会以降は、よっぽどとんでもない怪我でもない限り、WBCには絶対出たいっていうスタイルがデフォルトになりそうっすよね。代表チームを作ったらみんな仲良くなって、ペナントで乱闘とか起きなくなるっていう風潮が、俺にはなんとなくぬるい感じがして、嫌だったんですよ。敵チームの選手同士は顔を合わせないみたいな昭和の感じが好きだったんで。でも、ここまで面子が揃うなら、それでいいじゃんってことになりました。

中溝 康隆 おじさんファンの価値観もアップデートされましたよね。

生田 登 昔はそんなこと許さなかったからね。「チャラチャラしやがって」って。

伊賀 大介 「オールスターだけでいいんだよ」みたいな。

生田 登 ここは山田久志。村田兆治はここって。

伊賀 大介 そうそう。どこに座るかも決まっているっていうね(笑)。阿波野(秀幸)がおしぼり持ってくる。

生田 登 西崎(幸広)と一緒に。

中溝 康隆 落合(博満)と門田(博光)がWBCに出てるの想像できない(笑)。

──その時代のWBCも見てみたい気しますけどね(笑)。

伊賀 大介 めっちゃ面白かっただろうなあ。カネやん(金田正一)なんてビーンボール投げまくりそう(笑)。

中溝 康隆 俺、単行本で「97年にWBCがあったら」みたいな感じで書いたことあるんですけど、野村貴仁と清原(和博)が同じベンチに入っちゃうんですよ(笑)。

生田 登 ダメダメ(笑)。

伊賀 大介 グリーニー(笑) (清原が現役時代に使用していたと言われている興奮剤)。

中溝 康隆 後のことを考えるとそれはよくないんじゃないかみたいな(笑)。

伊賀 大介 『俺、桑田真澄~』の小説みたいに清原が危ないほうにいかないように、『まどか☆マギカ』じゃないけど転生してそこで止めないといけない。松井秀喜もいますよね。

中溝 康隆 ゴジラもいますし、野茂(英雄)、伊良部(秀輝)なんかも。もちろんイチローも。

生田 登 あー、いい!

中溝 康隆 斎藤雅樹も入るかもしれないし。それはそれで盛り上がりそうですよね。あとは松井稼頭央がそこで世界にデビューするとか。そうやっていろいろ考えていくと、左のワンポイントがいなくて。そこで野村が選ばれて、日本の四番の清原と……。

伊賀 大介 それは絶対に止めないといけない(笑)。

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