AKB48のチーム制休止に隠れる真意

4月29日にぴあアリーナMMで行われた「AKB48春コンサート2023~好きだ!と叫ぼう~」にてチーム制の休止がサプライズで発表された
写真/©AKB48
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4月29日のコンサートにて発表されたチーム制の休止。これまで約17年間続いた制度が覆されるということもあり、メンバーやファンは大混乱に陥っている。グループは今、どこを向いて走り出そうとしているのだろうか。

「OUT」していく者

4月29日、AKB48が「AKB48春コンサート2023~好きだ!と叫ぼう~」を開催した。

約3年ぶりの声出し解禁コンサートということもあり、会場のぴあアリーナMM(神奈川県横浜市)は満員のファンで埋まった。

コールが送れる『大声ダイヤモンド』でスタートしたコンサートは、中盤では3期生・柏木由紀の『夜風の仕業』が歌われるなど、期別のブロックを設け、その後もトロッコに乗ったメンバーが客席間の通路に出たり、アリーナと2階席をメンバーが練り歩いたりと、サービス満点のコンサートだった。「BUBKA7月号」のインタビューで村山彩希が答えているように、「ファンのためのコンサート」だった。

コンサートでは、2つの発表があった。ひとつは、AKB48が所属する株式会社DHが手掛けるオーディション「OUT OF 48」のダンス審査通過者の発表だ。

先月号の当欄でも触れたが、このオーディションの様子は日本テレビの番組『OUT OF 48』で今年4月から毎週放送されている。番組HPによると、「AKB48の知名度から外へ出て、イチからスタートするアイドルグループのオーディション番組。AKB48メンバーと一般の応募者による新たなグループを立ち上げる!」とある。

今回のコンサートが開催された4月29日の時点ですでに2回の放送が終了しており、オーディションに参加したAKB48のメンバー(22歳以下の希望者)が誰なのかについて、ファンは知っている状態だった。そして、最初の関門であるダンス審査の通過者がこのコンサートで判明する――という仕掛けになっており、注目が集まっていた。

課題曲『Your Super Girl』を歌った通過者はAKB48から25人、一般から23人。会場に詰め掛けたファンは、自分の推しが通過したかどうかを見守った。

25人と23人。計48人。この人数からアウトしていくオーディション――という意味が企画名には込められているようだ。

AKB48から通過したのは、齋藤陽菜、千葉恵里、永野芹佳、福岡聖菜、山内瑞葵、浅井七海、小栗有以、徳永羚海、倉野尾成美、坂川陽香、下尾みう、長友彩海、佐藤綺星、橋本恵理子、平田侑希、水島美結、山﨑空、秋山由奈、新井彩永、工藤華純、久保姫菜乃、迫由芽実、成田香姫奈、八木愛月、山口結愛。

歴が浅く、かつ課題曲から連想されるグループのイメージに近いメンバーが多く残った。17期研究生と18期研究生だけで13人を占めている。それはダンススキルのみならず、まだ色に染まっていないことと、将来性を考慮しての審査結果だろう。

若手にとっては自分が目立つチャンスだ。短期間で先輩やライバルをごぼう抜きにできる。それを承知した上で参加しているはずだ。

しかし、AKB48になりたくて加入しているのだから、心中には複雑なものがある。このオーディションが発表されてから何人かのメンバーを取材したが、そういった気持ちを汲み取れた。

このオーディションは、結成される新グループが何人組になるのか、どんな活動をするのかについて詳細が明かされていない。それだけにメンバー的には不安もあるだろう。だが、やると決めたからには腹をくくるしかない。

締め切りの時点でオンエア済みなのは、48人から8人のリーダーを決め、そのリーダーがドラフト式にメンバーを指名。今後は6人組を8グループ作って、審査していくということ。グループ毎に競っていくわけだが、はたしてどんな結果が待ち受けているのか――。

取材・文/犬飼華

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