清原和博が野球人としてもっとも輝いていた時代を読む~プロ野球死亡遊戯があえて“令和の夏”に書きたかった話(著/中溝康隆)

7月21日発売『キヨハラに会いたくて 限りなく透明に近いライオンズブルー』(白夜書房)より

今でもよくあの時代のことや日常と隣り合わせの背番号3の勇姿を思い出す。たぶん、多くの同世代の人たちにとっても清原はそういう存在なのではないだろうか。ガキだった俺らに尾崎豊の歌はまだちょっと難しかったけど、キヨマーのホームランの凄さなら分かったからさ。

86年流行語部門・金賞受賞“新人類”の代名詞的存在としてチームメイトの渡辺久信や工藤公康らと表彰式にも出席。確かにあの頃の清原和博は何かを代表していた。大袈裟な言い方をすれば、プロ野球界を超えて当時のニッポンの若者世代そのものを代表していたのだ。同時にバブルに突き進むこの国の狂熱を体現した男でもあった。『週刊現代』の田淵幸一との対談では「ロールスロイスに乗ってセブン・イレブンにおでんを買いに行く、それがボクの夢なんですよ」と豪快に笑ってみせる19歳。たまんないよ。最高で最強で、なんてったってキヨハラだ。

さて、どこから話を始めようか。ビビったってしょうがない。まずは時計の針を35年前のあの日に戻そう。

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