天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第49回「テッド・デビアス」

天龍源一郎が語るプロレスラー テッド・デビアス
写真/平工幸雄

天龍源一郎は、その40年間の“腹いっぱいのプロレス人生”で様々な名レスラーと出会い、闘い、交流した。ジャイアント馬場とアントニオ猪木の2人にピンフォールでの勝利を収めた唯一の日本人レスラーであり、ミスタープロレスとまで称された天龍。そんな天龍だからこそ語れるレジェンドレスラーたちとの濃厚エピソードを大公開しよう!

俺のデビュー戦を10分リードしてくれた オーソドックスな一流の血を引いた選手

11月になると思い出すのはプロレスでデビューした頃のこと。俺は46年前の1976年11月13日、テキサス州ヘレフォードでプロレスラーになったからね。

振り返ると、デビューまでは怒涛の毎日だったよ。10月15日に東京ヒルトンホテル(現ザ・キャピトルホテル東急)で全日本プロレス入団記者会見をやって、2日後の17日の新潟県三条大会からシリーズに合流して開場前にジャイアント馬場さんやザ・グレート・カブキさんにプロレスの基本を教えてもらい、大会が始まったらリング上から入団の挨拶。10月28日の蔵前国技館大会まで11大会の試合前に練習しただけで10月30日にはハワイに飛んで、そこからロサンゼルス経由でテキサス州アマリロ入りしたのが11月7日。で、11月13日に本番の試合だから、全日本入団から1カ月もしないうちにデビューしたんだよ。

アマリロに到着してからドリー・ファンク・ジュニアには数回しか教わっていないよ。だってプロモーターでトップレスラーだったからね。アマリロのテリトリーはサーキットが長いから、ドリーが帰ってくるのが遅いんだよ。だから朝早く起きてアマリロのスポーツアリーナに来て、俺にプロレスを教えるのは多分、きつかったと思うよ。アマリロでドリーの右腕的存在だった技巧派のジェリー・コザックに教わるほうが多かったかな。ジャンボ(鶴田)はドリー直伝の派手なプロレスを覚えたけど、俺はジェリー・コザックに教わったから、地味なプロレスになっちゃったんだよ(笑)。

デビューの2日前には会場の雰囲気に慣れるためということで、馬場さんとドリーが考えたと思うんだけど、スポーツアリーナで相撲のまわしを付けたエキシビションマッチもやったね。

それがあっての本番のデビュー戦だったけど、今にして思うと、テッド・デビアスも大変だったと思うよ。今でも覚えてるんだけど、アマリロに行って最初に馬場さん、桜田(一男=ケンドー・ナガサキ)と観た試合のメインイベントがデビアスと誰か……多分、サイクロン・ネグロだったと思うんだよ。俺はこの年の蔵前でのジャンボとテリー・ファンクの華やかな試合(6月11日)でプロレスに魅せられたから「デビアスって地味だなあ」「ぽっちゃりしていて、パッとしないなあ」っていう印象しかなかったね。基本に忠実なプロレスをやるから、地味に映ったんだよね。

試合後にドレッシングルームに行ったら、ドリーとデビアスがシャワー浴びていて、デビアスがドリーの背中を流していたんだよ。「ああ、やっぱり相撲社会と同じで弟子が師匠の背中を流すんだなあ」と思って見ていたら、デビアスがポイッて石鹸を渡して、ドリーに背中を流させたからビックリしたよ。「えーっ、これでいいの!?」って、マジでカルチャーショックだったよ。

で、デビュー戦の時には日本のシリーズが始まるから馬場さんは日本に帰っちゃって、桜田も俺とは違う会場で試合が組まれていたから、月刊ゴングの現地通信員の茨城君(清志=のちにW★ING代表)の車で、住んでいたアマリロのホリデーインから1時間ぐらいのヘレフォード・ホールに行ったんだよ。

対戦相手のデビアスとはベビーフェイス同士ということで同じドレッシングルームだったのかもしれないな。「好きなことやっていいから。あとは俺がリードしてやるから、ついてくればいいよ」って言ってきてくれて、気が紛れたのを憶えているからね。

――記事の続きは発売中の「BUBKA1月号」で!

取材・文/小佐野景浩

天龍源一郎|1950年生まれ、福井県出身。1963年に大相撲入り。1976年のプロレス転向後は「天龍同盟」での軍団抗争や団体対抗戦で日本・海外のトップレスラーと激闘を繰り広げ、マット界に革命を起こし続ける。2015年の引退後もテレビなど各メディアで活躍中。

テッド・デビアス|1954年、アメリカ・ネブラスカ州生まれ。大学時代からザ・ファンクスの元でトレーニングを積み、1974年にプロレスラーデビュー。アマリロをテリトリーにNWAを主戦場にする。各地区の王座に就きリック・フレアーと並び次期NWAヘビー級王者の最有力と目される。1976年初来日。1983年には天龍との新王者決定戦を制しUNヘビー級王座を獲得。1987年からWWFに再登場してミリオンダラー・マンとしてヒールで活躍。1993年には全日本に参戦してスタン・ハンセンとのコンビで活躍する。1996年にはWCWに移籍してnWoのマネージャーになるが首の負傷などもあり引退。その後宣教師に転身。2010年WWEの殿堂入り。

Amazon Kindle

楽天Kobo

Apple Books

紀伊國屋Kinoppy

BOOK☆WALKER

honto

セブンネットショッピング

DMM

ebookjapan

ブックパス

Reader Store

COCORO BOOKS

コミックシーモア

ブックライブ

dブック

ヨドバシ.com

その他、電子書籍サイトにて配信!

BUBKA (ブブカ) 2023年 1月号
Amazonで購入

関連記事

BUBKA RANKING23:30更新

  • スポーツ
  • 総合
  1. SKE48荒井優希選手が辰巳リカ選手とのシングルマッチで大熱戦
  2. SKE48荒井優希選手、鈴芽選手に勝利し“ベルト挑戦”を宣言
  3. 田村潔司、孤高の天才が語るヤマヨシとの宿命
  4. 乃木坂46 3期生の絆にファンも大喜び!プロ野球オールスターゲームの後に行われていた“オールスターナイトニッポン”
  5. SKE48荒井優希、山下実優選手とのシングルマッチ!試合に集中しメンバーの存在は「すっかり忘れていました」
  6. SKE48荒井優希、初対戦のアジャコングに“一斗缶攻撃”も食らい完敗
  7. プロレス・木村健悟「藤波は童顔でかわいらしい顔して、まだ身体も細かったから『絶対に俺のほうが強いだろ』と思ってたよ」
  8. 天龍源一郎がレジェンドレスラーについて語る!ミスタープロレス交龍録 第45回「小川良成」
  9. SKE48荒井優希、人生初の“ビンタ”に気合!!久々のシングルマッチ決定に「自分のできることを全部出せたらベスト」
  10. 乃木坂46黒見明香さんが今季初“登板”、プロ顔負けの観察眼で大谷翔平選手&山本由伸投手を分析
  1. 【イコラブ】努力を続ける才能、咲き出したいくつもの花~瀧脇笙古ちゃんを応援しましょこ!~
  2. 乃木坂46山下美月「今日は私にとってアイドルとしての最後の1日です」
  3. 乃木坂46山下美月「生まれ変わっても絶対にアイドルになりたい」
  4. 乃木坂46黒見明香、“3期の黒見”こと山下美月をリスペクト「舞台裏でも本当に完璧なアイドル」
  5. 乃木坂46山下美月「 私、すっごい高いところ苦手なの!」本音がポロり
  6. 遠藤さくらは晩酌好き、久保史緒里は一人カラオケ…乃木坂46の“私生活”が明らかに
  7. 櫻坂46武元唯衣「油を注す準備はできてるか!」ダブルアンコールで『BACKS LIVE!!』終了
  8. イコラブ沼にハマってみた ep.1 ~ヒロインズで知るメンバーの魅力~
  9. 櫻坂46向井純葉、会場中の“Buddies”から祝福され喜び爆発「ありがとうございます! うれし~!!」
  10. 櫻坂46山﨑天、的野美青の“イケボ”を絶賛「楽曲に入ってくれるだけでグッとカッコよくなる」