2024-04-17 18:00

乃木坂46・山下美月が作詞したソロ曲『夏桜』に散りばめられた“乃木坂46愛”を読み解く

乃木坂46 35thシングル「チャンスは平等」Type-Aジャケット
乃木坂46 35thシングル「チャンスは平等」Type-Aジャケット

メンバー2人目の作詞

4月8日に更新された、あるメンバーのブログにこんな一文が添えられていた。

「是非歌詞にも注目していただきたいなと思います!」

山下美月ブログ『夏桜( ˙꒳​˙ )』より

乃木坂46の35枚目シングル『チャンスは平等』での卒業を発表、同作のセンターを務める山下美月のブログだ。

今作に収録される山下美月ソロ曲『夏桜』。多くのメンバーが卒業時にソロ曲をもらっているが、今回は少し様子が違う。山下美月本人が作詞を行っている。

乃木坂46の楽曲の歌詞はほとんど全て秋元康氏によって書かれており、メンバーで歌詞を書いたのは同じく卒業シングルで『じゃあね』を歌った、1期生白石麻衣以来の2人目である。

(※非公式?ではあるが、松村沙友里が自身を尊敬するメンバーで構成された“さゆりんご軍団”として、卒業コンサートなどで『ぐんぐん軍団』や『働き方改革』などを披露している)

山下はブログにて「凝った表現など選ばずに真っ直ぐに繋げたので」と述べており、本人が込めた以上の解説になるかもしれないが、約8年間乃木坂46としてグループの中でも、外でも活躍してきた山下美月の想いを読み解いてみた。

美しい月が歩んだ道

1番の歌詞からは「冬」、「月」、「白道」に注目してみた。「冬」には“我慢する”や“乗り越えるもの”など、マイナスのイメージを持つことがある。しかし、「冬」と「月」を並べると印象が変わって見える。冬の月を思い浮かべてみてほしい、普段より高いところにあるイメージがないだろうか? これは冬の月の通り道が太陽の夏の通り道と同じ位置を通っており、冬至になると満月の南中高度は高くなる。(これはネット上に詳細があるので確認していただきたいが)つまるところ、月は冬になると高い位置を通り、澄んだ空気も相まって、冬の月は明るく高い位置に現れる。

今回、卒業ソロ曲の収録が確定した際に、ある一説がXを中心に流れてきた。秋元氏初の自選歌詞集から「そうそう、この歌詞集のタイトル『こんなに美しい月の夜を君は知らない』は……そのうち、何かの歌詞になると思います。」この一説から「ソロ曲の歌詞に含まれるのでは!?」、「美月の名前が入っている」とXなどで盛り上がったが、『夏桜』は山下美月作詞となり、歌詞に含まれることはなかった。しかし、私はこの一説が垣間見えた気がする。

また、上述した月の通り道には正式な名前があり「白道」と呼ばれる。歌詞からは桜の花びらが散り道を埋め、月が照らして白く見える描写にも思えるが、山下美月が乃木坂46として歩んだ道のりを月の通り道とかけているのかもしれない。

“我慢”や“乗り越えるもの”とされる冬の季節。振り返ると彼女がセンターを務めた『僕は僕を好きになる』はコロナ禍での初リリースされた曲(※配信のみ作品以外で)、『人は夢を二度見る』は一期生として多くの楽曲でセンターを受け継ぎ、担ってきた齋藤飛鳥卒業後のシングルだった。グループにとって苦しい時、乗り越えた先にあるものを掴みに行く節目で彼女は先頭に立っていた。ファンに向けて“ありがとう”と思いを伝えてくれた彼女だったが、感謝すべきなのは乃木坂46ファン側だと思う。

風も光も絶望も

2番の歌詞冒頭「全て包み込みたかった風も 光も 絶望も」が歌われる。この3つの単語を並べた時、聴いた人は一瞬、違和感を覚えるかもしれない。「“絶望”が浮いて見える」「風や光を包む?」と思うかもしれないが、多くのファンはすぐに気付くと思う。これら3つの単語は各期の最初の期別楽曲、3期生の『三番目の風』、4期生の『四番目の光』、5期生の『絶望の一秒前』が元ネタだろう。これらはXでも話題になった。

彼女がブログで「2番はメンバーに向けて想いを込めて言葉を紡いだ」と明記している。アイドルとして咲いていた山下がいなくなっても、乃木坂46はまだまだ咲き続けている。これからの乃木坂46に自分の面影=花の香りを残さないで「時々思い出してくれればいい」と伝えている。

この「時々思い出してくれればいい」は乃木坂46初代キャプテンの桜井玲香卒業ソロ曲『時々 思い出してください』から来ているだろう。桜井玲香×山下美月といえば「乃木坂工事中」でのバレンタイン企画を思い出す。3期生から先輩にプレゼントする企画で、山下は桜井にプレゼントを渡し、思いを伝えていた。一方の桜井はライブで山下の名前「みづき」を「みつき」と間違えており、桜井のポンコツ具合が取り上げられていた。山下と濃い関係性のある先輩といえば「若様軍団」の若月佑美、齋藤飛鳥が思い浮かぶが、桜井との関係性も垣間見えていた。

余談だが、バレンタイン企画では先輩は立候補制であり、若月は立候補してフラれ、立候補してなかった桜井にプレゼントが渡された。この時あげたプレゼントは「生ウニ一箱」であり、「乃木坂工事中」(2024年4月7日放送回)で山下が白塗りになっても欲しいご褒美は「箱ウニ」だった。(※山下はご褒美を手に入れるために、白塗りになっている)

ブログにはMVのオマージュに関しても、言及されていた。序盤は花屋さんで働いている山下の元に「乃木坂の最終オーディション~」とメッセージが届く。これは西野七瀬卒業シングル『帰り道は遠回りしたくなる』で西野の元に「最終審査通過~」のメールが届くシーンのオマージュだろう。中盤、2番の冒頭ではスケジュール帳にびっしりと予定が詰めこまれている。これは山下を慕う4期生・賀喜遥香のセンター楽曲『好きというのはロックだぜ!』から。終盤では山下の表題曲初センター『僕は僕を好きになる』のMVのように撮影からの場面展開が起きる流れがあり、『夏桜』では満月をバックに山下がかぐや姫のような装いでの撮影が終了しその後ラスサビへの流れとなっている。

桜に込められた思い

最後にタイトルである『夏桜』に関して。MVの最後に花瓶に生けられていた桜とは違う、亜低木の花で品種名に「ナツザクラ」を含む「ニチニチソウ」という花を紹介したい。開花時期は5月~で山下卒業タイミングと重なる。このニチニチソウの花言葉は「友情よ永遠に」。かつて、グループ加入から4年以上経過したタイミングで誰一人欠けることのなかった「奇跡の期」と呼ばれる3期生。2人目となる3期生からの卒業生になるが、彼女たちの友情は永遠だと込められているかもしれない。

2nd写真集が4月23日(火)に発売予定の山下美月。彼女の1st写真集のロケ地フランス・パリにおける桜の花言葉は「私を忘れないで」。歌詞や花言葉に込められた「忘れないで」は彼女がファンに向けて送ったメッセージだが、ファン、そして乃木坂46メンバーにとって「忘れられない人」になっている。

乃木坂46久保史緒里表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 5月号
Amazonで購入
セブンネットショッピングで購入(久保史緒里ポストカード2種からランダム1枚付き)
セブンネットショッピングで購入(伊藤理々杏ポストカード1枚付き)

乃木坂46久保史緒里表紙:BUBKA (ブブカ) 2024年 5月号

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-A) (メガジャケ付)
Amazonで購入

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-A) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-B) (メガジャケ付)
Amazonで購入

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-B) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-C) (メガジャケ付)
Amazonで購入

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-C) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-D) (メガジャケ付)
Amazonで購入

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (Type-D) (メガジャケ付)

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (通常盤) (メガジャケ付)
Amazonで購入

【Amazon.co.jp限定】チャンスは平等 (通常盤) (メガジャケ付)

Twitterでシェア

関連記事

BUBKA RANKING23:30更新

  1. 櫻坂46公式インスタグラムがトレンド入り!連投されるストーリーに隠された文字にファンの間で考察が深まる
  2. 宮戸優光「前田さんとの関係が、第三者の焚きつけのようなかたちで壊されてしまったのは、悲しいことですよ」【UWF】
  3. 「ノイミー」永田詩央里のブログが良すぎる件
  4. 吉田豪インタビュー、TOSHI-LOW 90年代、あの刹那の先にある今
  5. 【BUBKA2月号】栗栖正伸、イス大王が語る遅咲きヒールとしての苦節50年
  6. アメフラっシ、初の全国流通シングルリリース!インタビュー完全版【BUBKA12月号】
  7. 船木誠勝「ガチンコでやれば八百長って言われなくなる 単純にそう思ってましたね」【UWF】
  8. 乃木坂46佐藤璃果「田舎から出て、違った世界を見てみたいなっていう気持ちはずっとありました」
  9. 乃木坂46林瑠奈さんの飛躍の根底にある“2つの強み”
  10. 乃木坂46林瑠奈さんからあふれ出る知識と音楽愛
  1. 表紙には日向坂46金村美玖、裏表紙には松田好花…収録カット一部解禁
  2. 乃木坂46林瑠奈「町中華で瓶ビールを頼んだり…」ビールと麻婆豆腐、そして町中華にハマる
  3. 乃木坂46阪口珠美「大大大満足な1冊に」念願の1st写真集発売決定
  4. 乃木坂46冨里奈央 “添い寝姿”を披露…5期生写真集『あの頃、乃木坂にいた』より封入特典ポスターカット第3弾解禁
  5. 櫻坂46公式インスタグラムがトレンド入り!連投されるストーリーに隠された文字にファンの間で考察が深まる
  6. 「サングラスがあれば何でもできる!?」メンバーが衝撃モノマネを披露した新企画のMVPは、通常運転で駆けぬけた林瑠奈
  7. 櫻坂46『そこさく』総力特集!表紙&巻頭グラビアさらに関係者インタビューも
  8. 乃木坂46山下美月の躍動にバナナマンがうなる「さすがセンター!」「山下いいぞ!」
  9. 日向坂46高本彩花1st写真集より、ボディーラインうっすら先行カット到着「鎖骨にも注目してほしい1枚」
  10. 大園桃子さんのアパレルブランド「philme」3回目のpop-up storeを開催